【雑記】ひさびさにPCから更新してみる

ブログのリンクが突然切れたりドメイン変更したり一時的にごちゃごちゃなったけど記事下のハートマークがクリックされていてうれしい。分析ツールなど付けていないので、あれを応答とみなしている。ハートマークはワンクリックで「読んだよ」を伝えられるとっても便利なツールだから押してごらん!

いろんなものに手を伸ばしてはすぐ潰したり逃げ去ったり別人のようなことをしているけど戻ってくる場所はいつもここなので収益とか採算度外視は当たり前の純粋な思いの向く先であって欲しいと思っているし、そうしていく。

もうね、紫の上なんだよ。光源氏にとっての。何かいいもん見つけたら絶対いつかここに上澄み持ってきて還元するんだっていうのが裏モチベーションなので秘密基地みたいな、だけど入りたいひとがいてくれるのだったらいつでも入ってきてくれていい。鍵はかかっていない。だからってこまめに返事もしないけど。拒んでいるわけではなくて勝手にふらふらしていってくれれば良い。見える人にだけ見えるランドマークになりたい。拡散する気はないけどでもまったく読まれないのは嫌だ。

ちょう我儘だよ、ちょう。
ここがあるからいろいろ平気で殺さずに済んでるっていうのはある。ずっと。あった。

なんだか今日は切実ですな。たぶん秋のせいだ。

ワードプレス勉強してるけど奥深いなあ…。どんどん「ああいうこともできる」「こういうこともできる」ってなってってインプット収集ついてない感じで辛い。今日も朝8時から14時間くらいPCさわってる。気づけば一日2食。これこれ。この病的になってくかんじヒャッハー。

そしていつもはスマホから更新だけど今日はひさびさにPCキーボードにて操作。手の動きとても楽になって手術前のスピード取り戻してるから脳味噌と肉体ほんとすごいと思う。神様マジすげーいるって思う(単純)。でもこの考え方のまま欲深くなるんじゃなくてまた別の何かが欠けた時に「ああ、これはあの時の回復の代償だな。了解した。もう十分です」ってなりそうな自分が頼りなくていやだ。「なんでだよおおお!」って憤怒できる人になりたい。それはそれで大変かもしれないが。

チョコレート・パニックシリーズ書いていた頃がいっちばん手が動いていてピークだったからもうその頃の快適な速度には戻らんだろうと思ってたけど今また同程度まで持ち直してるからほんと日本の医療すごいと思いましたまる。それを思うとさ、スポーツ選手とか老人とかさ「もともとできていたことができなくなる」ってのはすごい苦痛で絶望だよね。回復にお金と時間を費やすべきなのかどうかって誰にも分らないから悩むところだよね。自分のやり方あってんのか、とか。これは最適な選択肢じゃないんじゃないか、とか。寺田寅彦が「健康な人には病気になるという心配があるが病人には回復するという楽しみがある。」と言ってて、なるほどそれはそうだって納得したけど、その楽しみが必ずすべての病人に与えられるものでもないって考え出すと止まらなくなって考えがユニバースなって秋の夜長つらい。

打ち切り。

4+

【小説】もう旅になんか出ない

生まれ変わっても、いい?

ソフトウォーカスの世界に生きている君は言った。まるで、なんだか、そうだな、料理や新しい髪型について感想を求められるような軽さだった。それでつい頷いてしまったのだ。ああいいよって。

次の日、君がいなくなった。
死亡ではなく消失。跡形もなかった。誰に説明することもできなかった。あまり詳細に語れば僕のほうが頭のおかしなやつになってしまうから。この不可解な状況よりも。これから一人で君を探さなくてはならない。

生まれ変わるのだと君は言っていたな。
ベランダでさえずる鳥を見る。こいつだろうか。水槽の魚。植木鉢の花。どれも怪しい。いや、何も僕の部屋にいることはないかもしれない。遠くに出かけてみる。僕はリュックに歯ブラシと数日分の着替えを詰めた。

すれ違う人みな怪しかった。
君が意地悪で僕を無視しているようにも思った。肌の色が異なる人。聞き取れない言語でしゃべる人。向かい合えば瞳の色だってさまざまだ。しかし、待てよ。君が僕を覚えたまま生まれ変わったとは限らない。だとしたら、僕はみんなに優しくしなければ。

それから僕は何をしたか?
懐かしい部屋に戻って、旅に出る前と変わらぬ日常を過ごしたんだ。君とはもう出会うことはないだろう。それを認めることがおそろしかった日々は今や遠い。君がいつも寝そべっていたソファはそのままだけど。

そして僕にもその時が来た。
誰も知らない物語を抱えた僕、さぞかし秘密めいた老人だったろう。いつも幸せそうで。いつも遠い目をして。かぼちゃのポタージュ。あれは、うまかった。今度君がつくってくれたら、喧嘩なんかやめてたいらげよう。

別れを惜しむ人はいないと思っていた。
かすむ視界の中に、こちらへ駆け寄ってくる子どもの姿があった。何をしていたの。どこにいたの。どうしてこんなに悲しいの。子どもは矢継ぎ早に質問を浴びせてくる。
答えることは、もうできない。

問われ、答えること。
それが一番の愛だった。
求め、求められることに似て。
君はやがて誰かを好きになる。
その時に言うんだ。
もう生まれ変わるなんてこりごりだと。
今が一番幸せなのだと。
そうしたら悪い魔法は見逃してくれるだろう。
どうやらみんなそうやって生きているようなんだよ。
百年生きた僕が言うんだ。
試してみる価値はあるだろう。

4+

no.293

見張りのない窓を抜け出し
夜に虹を刻みに行った
まだ色彩を覚えているうちに
どこかに残しておきたくて

坂を転がるオレンジ
沈む夕陽に帰って行った
いとしの内出血
まだここにいるメッセージ

足りないものはない
そう気づいた
欲しいものはない
それが分かった

砕かれた氷に春を詰め
とどかない一日を飲み込む
まだ夢見心地だ
こんなにも指先はかじんで

2+

no.292

君が迷子になって
困るのは僕

行き場をなくして
途方にくれるのは

あてもない旅を恐れるのは
道なき道に怖気づくのは

遠くなった時間が
また間近で驚かされる

もう終わったと思っていた
もう始まらないと思っていたのに

シンメトリーとループ
似通った光景に何度も遭遇

いつからだったか
君はもう僕を見ないね

2+

no.291

落ちていく
どこまでも
真綿のクズと一緒に

突き飛ばされたのか
足を滑らせたのか
それとも自分で飛んだのか

落ちていく
そう怖くはない
もしかすると地面は来ない

こうなること
ずっと知っていた
ようにも思う

丘から見下ろすように
人の作り出した
橙の営みを見ていた

登るように
落ちていたって
涙がこぼれそうだった

ひとつひとつの窓に
これまでの僕が見える

笑っている怒っている
悩んでいる眠っている
疲れている回復している
疑っている信じている

しんじて、いる

いつか終わること
これからも続くこと
報いられること
裏切られること

それでも
それを
しんじてる

ちぎられた手紙が
花びらに変わる
この世のものとは思えない

それを表す言葉はない
君に伝えることはないだろう
体感することでしか知ることはない

そうだった
僕たちはひとりひとり
ひとつひとつの入れ物だった

それを忘れて
それに抗って
それから逃れようとした

ガラスが破裂する
活字が散乱する
手が伸ばされる

ありもしない声が聞こえた
遠ざかる日々の中から

3+

no.290

火と雪ならいいのに
近づかないことの理由になるでしょう
言い訳を考えなくても済むでしょう
つまり平和ってことだった

僕は文節を脱臼させて遊ぶ
君は星空の下で眠るだけ
残念で心細い
いつまでもはそばにおれないこと

正気に戻ると狂ってしまいそう
だからティースプーン一杯の毒を
狂気は羽毛より柔らかく包むから
誰にも文句は言わせないよ

いつか後悔するんだろう
今その手を離したこと
弁解の一つもしなかったこと
幸せになれるなんて嘘をついたこと

絶望がなければ童話は要らない
最後の日を終えたらまたベールを被り
死者の吐き出す言葉の列に加わる
そして僕たちはまだ誰も知らない歌をうたおう

3+

【小説】マイ・ヒーロー・イズ

大事だったものを失う気持ち良さに魅了されたら底なし沼だ。

僕はこんな大人になる予定じゃなかった。

そう言うと、計画通りの大人になった奴なんて数える程もいないさとお前は笑う。それがちっとも嫌味じゃなくって少し救われる。

家に帰ったってあいつがいるからもう少し遅らせようかな。

それ家って言えるの?
お前はどこに住んでんの?
いろんなところ。
いろんなって。
いろんなって言ったらいろんなだよ。カレーが好きでもさ同じ味付けばっかは飽きるでしょ。たまにはキーマにしたいし、グリーンにしたいし、バーモントにしたい。
バーモント。
そう、バーモント。あんたは強いて言うならハヤシライスだな。
ハヤシライスってカレーなの。
まあ、親戚。
親戚。
あんたと親戚になりたいな。もっと近づいて家族になりたい。そうだ、なろう!
寄るな気持ち悪い酔っ払い。ならねえから。じゃ。
待て待て、もう少し話そう。
嫌だね。
話してんじゃん。たとえばあの店の前に立ってる男いるじゃん。
帽子の。
違う、その隣。
ホームレス。
あれね、半年前までとある会社の役員だった男だよ。
嘘だよ。他人じゃねーか。
今はね。俺が全部奪っちゃった。
は?
だからね、あんたも俺を頼ればいいよ。たすけてヒーローって言えばいつだって参上するから。
嘘くせ。
信じる信じないはあんた次第だけど、頭の片隅にでも置いといてよ。あんたにはヒーローがついてるってこと。
どうして会ったばかりの奴にそこまでしてくれんの。
あんた俺に似てるんだ、だから、ほんとに俺かもなって思って。
何それ、頭悪いの。
あ、それ俺の口癖。
本当かよ。
本当。だから覚えていてね。本当にどうしようもなくなったら俺を呼んでね。
はいはい。
分かってんのかなあ。
分かってるって。

そして僕たちは別れた。
あれ以来、ヒーローには会っていない。
一度も呼ばなかったから。
そいつはただ平凡になって鏡の中にいるだけ。

だから今度は僕が見つけに行こう。
いつかの新しい僕に会いに行こう。

何考えてんだ、頭悪いの。

0

no.289

僕を蔑ろにした奴が
もっと早く消えればいい

例えば君については
とりわけそう思っている

いつか同じ目に遭って
似たように傷つくくらいなら

君のことは憎いと思うのに
だけどそれと同じくらい
そのままでいてほしいと思っている

罰なんかの観念は持たずに
いつだって慈悲と遠くにいてほしい

僕の存在をおびやかす
非常識であってほしい

フォークがさすもの
スプーンにのるもの
初めての光景ばかりを見せて

プラスチックより脆い世界のために
簡単に笑い飛ばせる妄想
なけなしのイマジネーション

永遠なんていらないんだ
君を壊してもいいと考えている
もしも新しい仮面に手を伸ばすんなら

2+

no.288

地獄に行きたかった
悪党と友達になりたかった
血の海で溺れた話
他人のする命乞いのことを聴きたかった

だけど取り囲むのは白い花だった
つくられた純潔でも
それで満足する人が多かった
または満足したふりをできる人

蜘蛛の巣で髪飾りを作ったり
黒猫に名前をつけてあげたかった
あなたたちは知らないだろう
あれがどんなに寂しがりやであるか

鍵のかかる棚の本が読みたかった
口にすることを禁じられた歌を歌いたかった
ロープの張り巡らされた森の入り口をくぐって
致命傷を負った脱走兵に会いたかった

待っていた
棺の中で待っていた
腐らない体は退屈でしかない
涙の一粒も拭えないくせに

2+
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