no.289

僕を蔑ろにした奴が
もっと早く消えればいい

例えば君については
とりわけそう思っている

いつか同じ目に遭って
似たように傷つくくらいなら

君のことは憎いと思うのに
だけどそれと同じくらい
そのままでいてほしいと思っている

罰なんかの観念は持たずに
いつだって慈悲と遠くにいてほしい

僕の存在をおびやかす
非常識であってほしい

フォークがさすもの
スプーンにのるもの
初めての光景ばかりを見せて

プラスチックより脆い世界のために
簡単に笑い飛ばせる妄想
なけなしのイマジネーション

永遠なんていらないんだ
君を壊してもいいと考えている
もしも新しい仮面に手を伸ばすんなら