No.760

愛の取得に失敗し
何ミリリットルの血を賭けた?
再生が先か終わりが先か
他の誰もが平和に見える

ひとを好き
なんて嘘
もしひとが
手に入るなら言わなかった

言葉が嘘ならいいのに
本当を隠し合っているなら
探しているなら分かり合えるのに
手がかりを埋めた氷はまだ溶けない

好きだったひとは遠くにあって
いつでも孤独を教えてくれる
忘れそうになったら瞬いて
おまえはまだ真夜中だよと教えてくれる

2+

No.759

発光するものに照らされて、ぼくは今もここにいる。これからもここにいていいんだよ。優しい声に縛られて。脈をはかる長い指が感覚器にのばされるのに時間は要らない。いつでも言い訳ができるよう偶然を装って。みんな歩き出したよ。ぼくだけがここにいるよ。不自由のない場所で、培養される愛の中で。大丈夫。震えなくてだいじょうぶ。誰もが安心して信じられる存在をたしかめたいんだ。きみはちゃんと必要とされているよ。脈をはかる以上のことをせず、指が離れていく。後には甘い体温だけ残って、それもすぐに消えていく。一度でも困らせたい。一度でも踏み外したい。壊したい。『わがままを言わない』。成長過程で幾度となく刷り込まれたそのルールを破ると、あなたの目にも光が宿る。なんだ、意外と簡単かもしれない。そこからぼくはいくつものわがままを垂れ流す。精確な計測器のようにストイックなあなたが我を忘れてぼくに触れるまで、あと、7秒、白い、天井、左手のタグ、ああ、ぼくは、生きて、いたんだ。

2+

No.758

トルコキキョウは死んでしまった
長旅の果てにぼくに会うために
欲しがらなかったら良かったか
いやきっとべつの方法で死んだ

人のする後悔はひとりよがりで
世界は思惑を包んでいる
散らばった勘違い
まったく見当違いの思いやりも

ふたつのまま生きていこうね
祈りのように呪いのように
会話が途切れた一瞬とっさに
この先も続く幸せを願った

自分が願う日が来るなんて
知る由もなかった想像さえも
ぼくのかけた魔法が今も
むらさき色のあかりできみを守る夜

3+

【雑記】さいきんの読書記録

ブログ分けるの面倒だからやっぱりこっちにまとめる。今週は5冊。

・『となりの脳世界』村田沙耶香/エッセイ
・『罪の声』塩田武士/小説
・『まなの本棚』芦田愛菜/エッセイ
・『犯罪小説集』吉田修一/小説
・『甘くて切ない』月村奎/BL小説
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