No.874

上手に歩こうとした
できないって落ちてくんの
ぼくわかってた
ぼくはわかっていたよ
簡単な予想

歩くための足じゃなくて
蹴るための足だから
きみは一度
一度きり、屋上の
小さな面積を蹴り飛ばす

落下より早く
ビブラートが奏でた曲を
聞いてた同級生はいないね
きみだけの一瞬
ぼくだけのキラーチューン

会わなくなって久しぶり
罪を犯したと聞きました
4K、網膜越しに
名前じゃなくて血を抱きしめて欲しかったね
救えたつもりでいるからきっと今は満たされてるだろう

正常なふりをしてハンパに溶け込む
きみが打ちこわしてヒリヒリ痛んだ
安らいで眠れそう
もう雑音を聞かないでいいのかと思うと
二度と朝が欲しくない
もうきみに会えないと気づいて夏が終わる