No.870

使いきれなかった生を
もう一度まわしていく
嘘だって言われても
その言葉に圧力はないから

自由には色があって
きみの目と同じだった
だから離せなかった
だから何度も終わらなかった

百年後ぼくはここにいない
百年前ぼくがここにいなかったように
今日もまたかさぶたが剥がれるように消えて
明後日また生まれるのを楽しんでいる

日常から落ちこぼれた非常が
微かな光を乱反射させ増大する
正体を見抜けなかった大人たちが
子どもの真似をしてそれが本当に下手くそ。