落ちていく
どこまでも
真綿のクズと一緒に
突き飛ばされたのか
足を滑らせたのか
それとも自分で飛んだのか
落ちていく
そう怖くはない
もしかすると地面は来ない
こうなること
ずっと知っていた
ようにも思う
丘から見下ろすように
人の作り出した
橙の営みを見ていた
登るように
落ちていたって
涙がこぼれそうだった
ひとつひとつの窓に
これまでの僕が見える
笑っている怒っている
悩んでいる眠っている
疲れている回復している
疑っている信じている
しんじて、いる
いつか終わること
これからも続くこと
報いられること
裏切られること
それでも
それを
しんじてる
ちぎられた手紙が
花びらに変わる
この世のものとは思えない
それを表す言葉はない
君に伝えることはないだろう
体感することでしか知ることはない
そうだった
僕たちはひとりひとり
ひとつひとつの入れ物だった
それを忘れて
それに抗って
それから逃れようとした
ガラスが破裂する
活字が散乱する
手が伸ばされる
ありもしない声が聞こえた
遠ざかる日々の中から