no.273

わかってもらえなくても
わかりたいと思う
でもきみに言わせたら
そんな不自然なことは不健康
なのだそうだ

不可能じゃなくて不健康ってさ
どうなの?

ぼくはレモン味の
乳酸菌飲料を
定価の半額で買ってきて
きみと飲んだりするんだけど

それでも超えられない壁があるんだよ
だんだん楽しそうになるきみ

正しいか正しくないか
叶うか叶わないか
そういうのってあんまり関係ないんだ

広げた傘の内側から
くす玉の中味がひらひら降って
本当にとんでもない悪戯だと思わない?

いつか好きじゃなくなっても
思い出はいっぱいだね

その日のために貯めてるんじゃないかって
考え出すと頭が痛くなるくらい

でもね
いつかわからなくなったらその時は
もうわからないまんまでいいや
全部欲しいなんて二度と言わないや

1+

no.272

傷ついたかも知れない
数えたら同じだけの針を飲む
どこかに刺さって
機能停止してしまいそうでも

誰も気づいてくれないから
どうするわけにもいかなかった
約束をどうしたかも覚えていない
だからこれは自分だけのゲーム

あなたの涙はほんとうは
僕のために流されるべきではない
それはもっと優しい
誰かの犠牲となった者のために

太陽も月も照らしてはいけないんだ
知らない子が裸で死んでいても
誰も見ていないなら素通りできてしまう
僕ってそういうやつなんだ

憐れむふりならできないことはない
それを回避するためにどうしたらいいか
ありったけの知恵を絞って策を出すことも
だけど回答として求められた時だけ

僕はここにいてはいけないのかもね
胡乱なひとりごとに返信はこない
そのことがかろうじて僕をここにとどめる
もしかしたらって期待とかしてんだ

例外はない
早朝に見る昔の映像
冷蔵庫に隠した水晶体
耳の奥で鳴ってる届かない足音

暗い道で振り返る時に
雑踏の中でふと呼ばれた気がした時に
あなただって悪かったんじゃないか
僕は何度も逃げ損ねてそう言い訳をしている

2+

no.271

苺をほおぼっていた
飲み込むことはせず
吐き出していた
それを繰り返していた

あなたはぼくを記憶する
唯一の生き物だから
知らずどこかへ行ったり
消えてなくなったり
しないで欲しいんだ

想いを伝えるには不器用で
喋らない口実が必要だった
だから苺をほおぼっていた
食べたくもないから
飲み下したりもしないけど

たとえばそれは爆弾で
たとえばそれは卵で
たとえばそれはあなた、
いなくならないはずの
あなただったとしても。

苺をほおぼっていた
それはアリバイになる
ただ苺をほおぼっていた
あなたより後は嫌だよ

2+

【雑記】あそびごと

wordpress慣れてきた。

久々に自分のブログ見たら「白いな?!」ってなったので(まあそれが狙いではあるんだが🙄)、たまに色味があったら良いかもと思って絵文字プラグイン入れてみた😍✨これ。

基本的にサイトやブログにおいては「活字以外に表現を頼るとは何事か!」「絵文字~?あまったれんな!」って厳しく考えてたとこがあって、好きじゃなかったんだけど、まあ、これも楽しいかなと思って…。

🌎🍇🍮🙃😘🍑🍆🏀⛳💎🇧🇪

なんだよこんなに楽しいのかよ…。

ちなみに謎のルールの反動で、メールやLINEだととてもよく絵文字使う方。
よりこっちの意図に近しく伝わるって、分かってはいる。

ただ、詩や小説を書くときはそれに邪魔されたくねーんだよなあーというプライド?頑固おやじみたいのがいつまでもいる。

こんなおじさんでも自分の一部だから捨てられないんだ👼🏻🐱🍒

雑記の時は使おう。

2+

no.270

時計の針は同じ場所を滑るから
ぼくたち勘違いをしているよ
ひとつの円の上だからって
それはもはや繰り返しじゃない

きみが真似するぼくの方言
それを耳にした時にああ孤独と思った
かわいそうと言われるほどに
しあわせ者と言われるほどに

何を言われても
どんな目で見られても
きみを選べるぼくでいたかったな
決意は儚い

溶けるとわかって手を伸ばした
夏の氷のよう
早く息の根を止めてあげないと
それはぼくに対しても言えることだった

知らずに済まされる幼さなら良かった
誰か傷つけても平気なら良かった
願うことも欲しがることも疲れる
輝きは無数の粒子だから

名前がわからない
いつか描いた絵の中にいるのに
意図が見えなくなったんだ
製作者は確かにぼくであるのに

1+

【雑記】理想と現実

さっきあげた小説は、スマホのメモに眠ってた書きかけを完成させたやつ。
メモで書いてスマホからもタブレットからもパソコンからもアップロードできる。便利な時代よの。

執筆環境(理想)
・淡色を基調とした広い部屋
・座り心地のいい椅子
・飲みたいものが好きなだけ飲める
・窓からは自然の緑が見えている

執筆環境(現実)
・ベッドの上で寝ころびながら
・扇風機の風
・窓の外を車が走っている
・飲み物は麦茶かカフェオレ

理想があるうちが花かも知れない。
そして環境はあんまり関係ないかも知れない。
むしろ満たされていないほうが良いのかも知れない、人間、欲は尽きないけれど、不足していたほうが、夢を見られる。
と、合理化をする。

質より量。

他人の書いたものにあれこれ言うより、一行でも自分で書いたほうが良い。私はその人を偉いと言う。勉強でもそうだ。一分でも手を動かしたほうが偉い。この勉強したい、あの資格とって、ああしてこうしてって言ってるよりも。何事もそうで、これは自分への戒めでもある。もちろん計画を立てることは大切だが動き出すことはもっと大事で、計画立てて満足したり計画という名の後回し精神には注意をしたいところ。だけどそんな場合でもやっぱり「計画して満足したならその程度」なんだろうな。やりたいことって「やりたい」って考える前にやってたりするし、そのエネルギーや瞬発力みたいなのはすごいと思う。すぐ行動にうつすひとってすごいな。心がけてはいるけど、それって心がけるようなことかな?と思ったりして一進一退。
まあ、頭の中でこね回してればお金もかからないし場所はとらないしエコだよね!
その層を突き破ってきたものにだけ現実に存在させてあげよう。

3+

【小説】その店のメロンクリームソーダに関するうわさ

その店のメロンクリームソーダは飲むと◯◯、◯◯◯◯。

「都市伝説にされてら」
店内はいつも通り閑散としている。ふと気になって覗いた口コミサイトで見かけた自分の店には、都市伝説の類が書き込まれていた。
「暇なやつもいるんだなあ…。って、この店ほどじゃないか」
と、入口の鈴が鳴った。
来客を知ったタイチは、スマートフォンの画面を閉じた。
久しぶりの客だ。
訪れたのは、小学校低学年くらいの少年と、はたち前後に見える男。彼が帽子を脱ぐと、まとめていた長髪がほどける。
タイチは凝視した。
男の髪の白さに、整った顔立ちに、紅茶が抽出できそうな赤い瞳に。
ぼけっと突っ立ったままの店主に構わず、今しがたやって来た二人は迷うことなく窓際から一番離れたテーブル席へと着く。
「オレンジジュース」
少年が先に注文する。
「俺はメロンクリームソーダを」
赤い瞳がやけにキリッとした声で注文する。
「かしこまりました」
タイチは平然を装いつつカウンターの中からその二人の様子をうかがってみる。
兄弟。
親子。
師弟。
友人。
恋人。
ペットと飼い主。
どれもしっくりこない。
「マヒロは金魚すくいと射的をする。その時、俺はメロンクリームソーダを注文する」
来週開催される夏まつりの計画でも立てているのだろうか。
「メロンクリームソーダ出してるお店はないと思うけどな」
「探してみないとわからない」
「わかるよ。だいたい夜店で出す飲食ってのは食べ歩きに適したものでないと売れないだろ。かと言って紙コップやビニールのコップにメロンクリームソーダ入れてると魅力が半減するっていうか」
「俺にとっては半減などしない。この世のメロンクリームソーダはすべて等しい」
「この分からず屋」
少年の吐き捨てた言葉に傷つく様子もなく、赤い瞳はもう一度髪を結わえた。完成したそれはタイチの大好きなポニーテールだった。

「お待たせしました」
少年の前に100%オレンジジュースを。
赤い瞳の前にメロンクリームソーダを。表情を盗み見ると、その目はメロンクリームソーダに釘付けになっている。
「いや、だから。タカナシの電話にはもう出なくていいって言ってんの」
「だが、マヒロのお母さんは出ろと言う」
「ぼくとお母さんとどっちの言うこと聞くわけ?」
あいかわらず関係性はわからないが、遠慮し合うような仲ではないようだ。タイチにはそういう間柄の他人はほとんどいない。
カウンターの内側へ戻るとグラスを磨くふりをしながら赤い瞳の横顔をながめた。すっきりとした顎のライン、頬の膨らみ、後頭部の輪郭まで含めてパーフェクトだ。
暑い中やって来たと言うのに汗ひとつかいてない様子だった。
触ったら、ひんやり冷たいんだろうか。
向かいに座る少年がじっとり汗ばんでいるのとは対照的だった。
バンパイアという生き物のことを思う。
生き物という表現が正しいのか定かではないがどこで見かけたのだったか。ネットだったようにも、雑誌の片隅であったようにも思う。
多数の人間にとって有益と思われる体質や性能を保有しつつあるが、いまだ解明されていないことがたくさんあるとか。ただし、数年前と比較して彼らの権利も認識されつつあり、非人道な実験や衆目にさらされるシーンも減って来たとか。初期のブームが落ち着いて来たのだと書かれていたのを読んだ気がするがそれはそれで侵害的表現である気もした。
それにしても、そのような存在を初めて目の当たりにした。
ましてその連れが脆弱そうなちびっこ一人だとは。
まさかどこからか屈強な護衛係が見張っていたりするだろうか。しかし店内には他に客の姿はなく、彼らのついた席は窓の外からは死角になっている。それに、盗み聞きした会話の内容にどうも危機感がないし、店内に入るやすぐさま帽子を脱いだところなどから、お忍びというわけでもないようだ。
ただただ凸凹デートしてます。って感じなのだ。

結わえ損ねた髪の束が耳から落ちるのを押さえつけながら、唇のあいだにストローを挟む。吸い上げられた緑の液体は、血の気のない体に染み渡った。

「とてもおいしい。生き返る心地がするぞ」
「生き返る?それ冗談。ねえ、ぼくにも飲ませてよ」
赤い瞳が少し迷った素振りをし、もう一度吸い上げた液体は口移しで注がれたので、タイチは危うく磨いているコップを落としてしまうところだった。
「ほんとだ、おいしいね。さくらんぼ、もらっていい?」
「いいぞ。俺が好きなのはソーダの部分だからな。マヒロにやる」
「やった」
譲られたさくらんぼはマヒロの口から喉へ、食道を通って胃の中へ。
ああ、ああ。
あの実があんな小さな子どもの口に入ってしまうとは。

マヒロの体格がみるみる変化する。
少年から青年へと。
金ちゃんが三回まばたきを終える頃には、十七歳のマヒロが仕上がっていた。
スプーンが床に落ちる音がする。
金ちゃんは呆然とその変化を見守っていたが、ようやくハッとして首を左右に振る。
「あれ?大きくなっちゃった」
二人は顔を見合わせた後、どうしたかと言うと。
その状況に、慣れた。
そうする他ないと知っているかのようにスムーズに。
「あ、惚れる感じ?」
「ば、ばかを言うなっ」
自信たっぷりににやりと笑うマヒロを前に、金ちゃんはそわそわと落ち着かない。
あらぬ方向へ視線を飛ばしたかと思うと吸い寄せられるように何度もマヒロを確かめた。
タイチは何度も目を瞬かせたり擦ったり、頬をつねったりもしてみたが視界に映る光景は変わらない。実際に頬をつねることなんて人生であるとは思わなかった。次にタイチは怯えた。あの少年が元に戻れないのなら。奇天烈なさくらんぼを提供した店側に損害賠償請求されたら。おれは犯罪者だ、前科持ちだ、行きつけのコンビニのあの子にもまだ気持ちを伝えていないのに、両親にもなんと言ったら、親戚一同にどう説明をすれば、恩師に、数少ない友人に、Twitterのアカウントは放置か、そうだペットのペロはどうする、俺がいなくなったら誰に世話を頼もうか、ペロ、ああ、かわいいペロ、おれが拾って育った大切なペロ、ごめんな、最期まで面倒を見てやることのできなかったふがいない飼い主をどうか許してくれ、ペロ。

タイチが我に帰った頃、青年になってしまった少年の姿も、美貌のバンパイヤの姿もどこにも見当たらなかった。

しかし夢ではなかったことの証には、飲み干したグラスとお金がテーブルにのっていた。

次の喫茶店へと向かいながらマヒロの体はだんだん元に戻っていった。
その様子を金ちゃんが恨めしそうに眺めている。
「なんだ、もう効果が切れたのか。十七歳のマヒロ、悪くなかった」
「まだ試作品だからね。てか、やっぱ惚れてんじゃん。信じらんない。嫉妬の相手が自分ってのもなんだけど」
「どんなマヒロも好きだぞ」
「かっるいなあ、金ちゃん」
「完成したら商品化するのか?」
「まさか。しょうもない」
「需要はあると思うぞ?」
「たとえば」
「自分の十年後が分かる。たとえば病気を予防できる」
「これはあくまで現時点の自分を基礎としている。その後の出来事や食生活なんかを予期して反映させているわけじゃない。本人の頭の中は元のまんまだし、まあ、誰かをちょっと驚かすくらいなら楽しめるかも」
「さっきの喫茶店の店主みたいに」
二人は顔を見合わせると笑みを交わした。
「きつねにつままれた気分だろうな」
「金ちゃんに見惚れていただけかも」
欅の下を歩けば、うるさいくらいに蝉が鳴いている。
金ちゃんのわがままで始まった真夏のメロンクリームソーダめぐりはまだ一店舗目。

その店のメロンクリームソーダは飲むと十年、歳をとる。

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【雑記】得意は使える

ここ数日、好きについての記事をいくつか書いた。好きは強いとか、好きなことは消えないから大丈夫とか。その見解は今のところそのままだけど、好きとよく比較されるのが「得意なこと」ではないだろうか。

好きなことと得意なことは違うとよく言われる。私もそれはいろんな人を見ていてよく思う。「あれ?この人これを極めればいけるんじゃないか?」とか、「なんでこの人ここを磨かないの?」とか。それらは他人事であるがゆえの見方かも知れないけど、本人の素質と願望が寄り添っていないことは多々ある。時としてそれは「ギャップ萌え」という新たな価値を生み出しもするが今回はその話ではなく。

服装に例えたらどうだろう。
その人が着たい服(好き)はロリータファッション。仮に。
でも、似合う服(得意)は清楚な和装。とかね。
極端だけど。

じゃあ得意な物事が当人にとってなんの利益ももたらさないの?他者からの評価以外に?ってなると、どうもそうじゃなくて、好きなことを維持したり始めるためのサポート役になってくれるんじゃないかなとは思う。メインに据えると「ちがう、そうじゃない!」ってなるけど、得意なこともやはり好きになるはずだよ。それを頼って人が集まったり、それが得意なおかげで人から褒められたりしていれば。卑屈にならない程度に。そういう才能が何か一つあれば、自分の好きを保つための材料になるんじゃないかな。好きで生きていなくても、得意でお金を稼げるのなら。そういうやり方もあるんじゃないかな。

そのやり方の良いところは、得意なことは「スキル」として客観的にとらえられるところ。得意なことはそれを好きな人にいつか抜かれる運命で、それは避けようがない。好きは最強だから、苦労も苦労じゃない。だけどそれが得意なことであったら、受け入れられるだろう。すごいな、好きには敵わないなって。だから得意はツールには向いている。すべては好きを守り、続けていくため。
なので得意なこともあればあるほどよい。

もし好きなことも得意なことも何にもないのだとしたらその劣等感で生きていけば良い。劣等感とか自虐の精神はとらえようによってはだいぶ強い。ギャグにもシリアスにもなるし、共感を得やすい。つまり自分のファンがつくれる。自分を見てくれる人がいると知ることほどの幸せはそうそうない。そこから、何か挑戦しようとかあれこれ願望が出てきたら「しめしめ」とほくそ笑むのです。

自らの手で終わらせなければ絶対どこかにはつながる。
好きになれない今のために、好きになれるかもしれない人や時代まで捨ててしまわないで欲しい。
こういう言葉はいつだった発する方のエゴであるんだけど、理由がないなら私のために生きてよ。ってやつ。

一でつまづいたからって残りの九十九を捨てちゃう?
もったいないよ。
ふざけるなと感じる。

どうせ死ぬの。だったらなおさら今を選びたいって純粋に思ってるならそれはそれで自由にすれば良いけど、もしも「本当は〇〇したいのに。」って気持ちがあるんなら、それができるまで生き延びるんだ。

死にたかったら詩の中で何回も気の済むまで死ねば良いし、殺したかったら小説の中で何人でも気の済むまで好きな方法で殺したら良い。

諦めるには若過ぎるんだよ。
関わりすぎているし。

まあ確かに君が死んだって世界は回るけど。
生きてたってどうせ回ってるんだつまり変化なし。

みんなバカ死ね地球もろとも粉々に割れちまえって罵りながらもう少し見ておこう。いつか平気になって笑えるよ。今はそんな自分を想像できなくても。いつか全部肥やしになる。卑屈も憎悪も嫉妬も羨望も落胆も敗北も不安も。貯めれば貯めるほどお得になる。
つまりマイルだな。
せっかく貯めたマイル、使いたくない?

4+

no.269

夏が去って秋が訪れる頃
ぼくはひとり転校生だった

初めての校舎はなんだか
木綿豆腐みたいな外観をして
これからやってくるひとりぼっちの気持ちを
誰よりちゃんと分かっているみたいだった

慣れない廊下
机と椅子の配置
みんなと違う灰色の制服

誰も知らないということは
注目を集めるに充分だった

山では栗がとれる季節だ
川はお淑やかにきらきら流れ
光の照りかたの優しい昼間
性別を超えて
何かを大切に産みたくなるような

そんな時期に
ぼくはひとりの転校生だった

あだ名をつけれていない
ランクもつけられていない

ぼくは誰にとっても親友でなかった
そのかけがえのない自由な気持ちを
忘れるくらいなら大人になりたくない

染まることで安心するようになったら
誰かの一番になりたいなんて願うなら

それがどんなにくだらないことか
答えられなくなった時にはもう、

1+

no.268

剥がすよりも生むほうが痛い
大勢の喜びを伴うことのほうが
そこには未来の悪意が
含まれているかもしれず

潔癖なままでは難しい
取っておいた甘い蜜や
枯れてしまった草花や
人から放たれた言葉を遡っても

鑑定士のように吟味して
ガードマンのように用心して
そうやって何人もの自分を
ひそかに作り上げて安心したいけど

捨てようとした性質だけ残ってる
昼も夜も気にかけているせいだ
だからそれに惑わされない誰かが
羨ましくてずるく見えてやつあたりした

夏が終わるころいつも誓うのに
背中を追いかけることはしない
何度も言い聞かせるのに
一瞬も永遠も間違うくらいよく似ているよ

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