no.293

見張りのない窓を抜け出し
夜に虹を刻みに行った
まだ色彩を覚えているうちに
どこかに残しておきたくて

坂を転がるオレンジ
沈む夕陽に帰って行った
いとしの内出血
まだここにいるメッセージ

足りないものはない
そう気づいた
欲しいものはない
それが分かった

砕かれた氷に春を詰め
とどかない一日を飲み込む
まだ夢見心地だ
こんなにも指先はかじんで

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