No.559

水槽ごしは安らぐね
錯覚かもしれない
その可能性を残すから
あなたはきっと傷つかない
その可能性を残すから

もともと出会わない予定だった
そう仮定しよう
そもそもが道草だった
そう仮定しよう
仮定仮定と仮定にばかり頼りきり

まんまるな月が
ちょうちんのように闇をつくっている
折り紙のような黒一色を
振袖から飛び立った蝶々が飛んでいく

崩壊を待っている
誰や僕が泣いてもいい
たとえ失敗したっていい
その失敗に失敗を重ねたっていい
思うだけなら危うくてもいい

あなたがどちらを切ったとしてもいい
その手に持った銀色のハサミで
目元を隠す黒い髪や
鱗粉を残す蝶の軌跡や
背を向けあっても途切れない撚り糸
この夜を偽物たらしめる折り紙の一枚

3+

No.558

投げつけられた言葉を拾い上げ
いちいち傷つく暇はない
僕の代わりに誰かが泣くだろう
午後には干上がる水たまりの中で

好きだった
手に入らなかった
だから大好きだった
気持ちだけ宝石箱にしまい込む

たまに夢で会えたらいいな
現実ですれ違うことと変わらないから
視線は交わらないし接触もしない
あとは可能性の問題だけだ

キャラメルの包み紙を集めて
ひとつずつに文字を書く
毎朝ひとつつまみ上げて
そこから始まるイニシャルに会いに行く

普通が世界を壊して行く
構成する細胞を貶めながら
消滅したいか残存したいか
どっちでもいいよって嘘つきながら

真夜中は小鳥をさがす
心臓くらいの大きさの
それを握りしめてとくとく眠る
翌朝には冷たくなっている

花をむしることも
川をせき止めることも
小鳥を冷たくすることも
君の名前を忘れていくことも

僕には止められない
誰にも止められない
世界に止められない
命を止めない限り止まらない

ふたりは握っている
心細さのあまりにお互いを握りしめる
そうしたせいでどちらも息絶える
だから明日にはまた別の誰かが心細い

蹴り上げられても元どおり
消えても生まれる
覗き込んでは真似ばかり
僕たちがあこがれる水たまりのむこう

4+

No.557

誰もいない
灰色の空気をくぐる
街はそれでも輝いている
人類が絶滅した世界だと仮定する

初めて僕は息をする
すがすがしくて温かい
冷たくて心地がいい
公園のブランコも滑り台も

太陽が斜めに昇って影を作る
正体を見ずに影ばかり見る
ハロー、はじめまして。
あなたはこの街がスキデスカ?

たどたどしく装った人間
または、流暢に話す異形の機械
影だけでは判別がつかない
僕は返事をせず微笑み返す

気が違ったふりは少し甘い
舌の上にじんわりとひろがる
夜になると甘さは毒になるから
いろんなものを舐めては解毒する

同じ時刻どこにいても汽笛がする
なのでそれは幻聴だろう
だけど連想する記憶なんて持たない
ああ、自覚がないから幻聴なのか

お腹の底に少しずつ溜まった毒が
ようやく致死量を満たす頃
僕は計画を実行に移すことにした
丘の上の白い箱のような家へ向かう

ハロー、ごはんです。
甘くて美味しい、ごはんですよ。

ドアを開けると初恋が立っている
灰色した朝靄の中で淡く光りながら
ぼくはもうずっと空腹でいる
検分もせずにそれを頭から食べ尽くした

2+

No.556

水色の道が網目状に拡がっている
この先の不安が何も無いと知らされる
ある人は僕に水色じゃないと言う
もう少し紺色がかっていると

僕たちの眼球は不ぞろいだ
統率者もそこまで気づかなかったのだろう
重要性を感じなかったというのが近いかも
その違いが僕に少しだけ希望を持たせた

半端な希望なら無い方が幸せだと
そう思えて仕方のないこともある
作られた笑顔はそれでも笑顔で
僕に向けられる愛情を否定はしない

新しい楽しみを見つけたんだ
違和感を拭い去れない顔だ
まだこの世界に馴染めないでいる
きっとこれからも馴染めないだろう

その正気がいつか君を殺すと
ここでは違和感が異常だと
誰も君に教えられないでいる
甘い僕だけのショートケーキ

捨てていく中で僕だけ持っていた
賢くないと思ったから
夢は今日も傍観する僕を訴える
なけなしの水色で君を染めようとする

3+

No.555

むずかしい言葉
核心を突かないため
芝生にスカートがひろがる
靴底はフレアに隠している

見えない鎖があって
見えない壁があって
見えない棘があって
それでふたりは近づけないの

紫の猫が笑う
見えない棘も
見えない壁も
見えない鎖も

なんにも見えないんだ
なぜってどこにもないからだ
でも信じたいふたりがいるんだ
それで存在を許されるんだ

見えないくらいで
疑うこともない
見えないくらいで
嘘になることもない

贅沢な遊びだ
死ぬまでの時間つぶしだ
綺麗な装丁には収めてやらない
死ぬまで鏡と向き合っていろ

1+

No.554

器用でも不器用でも
何も残せない
何も作り出せない
だから言葉を紡いだ

唇があって舌があるので
心があって思いがあるので
伝えたくないことも
伝えたいことも

夢にまで見ました
現実かに思えました
さわれないから優しいのに
とどかないから欲しいのに

なんにも落ちてきてほしくなった
ずっと遠くで見ていて欲しかった
接近すれば危うくなるだけ
仕切り直しに月下でさよなら

瞬きをしたら忘れる
きれいさっぱり赤の他人
おまじないを掛け合うのに
どちらの目からも涙がこぼれる

3+

No.553

目を覚ましたくなんか
なかったのに、ちっとも
そんな目でぼくをみる
夢かそうじゃないかって

誰にも判定のできないことだよ
錯覚は救いだ
雪の上の花かに見える
血を流して倒れていても

うまく生きられない
ずっとそうだったんだろうね
これからもそうなんだろうね
そう思うことで安心がしたいね

永遠に続くものはない
永遠だって永遠じゃない
そんなものどこにもない
繋がらないでも温まりたい

願望を口にするのは
叶わないことが明らかな時だけ
あなたは裏切り役を忌避する
揃えたつま先にだけ陰ができる

光があればあるほど
明るければ明るいほど
温かければ温かいほど
その暗闇は隠しようがないのに

2+

【雑記】ただパソコンの話してるだけ。

iMacにウィンドウズ10入れるのに成功した!結論から言うと非常に簡単。途中で「んっ?」てなったけどライセンス入力せず進めてただけ。ミス。かかった費用は新規ライセンス代17,000円。新たにPC買い足すより経済的だったな。場所もとらないし、よかった買わなくて。iMac電源入れてマックかウィンドウズか選択可能で作業途中での切り替えも可能。これでMMDできるぞ。インストールできなかったあれやこれや、諦めてたあれやこれやもできるぞ。…って事態になると途端に何もしたくなくなるのは人間のサガなのか己のサガなのか。こうやってみんな死んでくんだろうな、やろうと思っていた、いつか取りかかろうと思っていたんだ…って言いながらな…。強いて言うなら画面の解像度しっくり来ないところあるけどまあ許容範囲内かな。やはりMacは優秀だった。#結論。自我が芽生えた頃から?ずっとウィンドウズだったけど何が優れてるってMac製品は型落ちしても価格がそれほど、馬鹿みたいに落ちていかないことですな。メルカリ見てても「へー」て値段で売買されてるしそういうのウィンドウズにはなくない?知らんけど。次に欲しいのはAirPods。新型の噂あったけど別に気にならないからもういいかな。まだっぽいし。こうして生活がリンゴに囲まれていく…。

2+

【小説】『箱と毒』2

この話の続き。続かないと宣言したら続けたくなる病。当初からのキャラ崩壊と伏線回収気配なくグダグダに進む様子をお楽しみください。どうせメロメロになる(恒例)。もし今後続くとしても、伏線めいたもの、設定、キャラすべての呪縛から解き放たれてただ書きますね。

=

▼15秒でわかるひどいあらすじ。

美形のモテ高校生のキラくん(17♂)は同じクラスのフツメンだけど黒目キラキラなシバちゃん(17♂)が好き。最近になってシバの魅力にみんなが気付き始めたように思われて(勘違い)、とりあえず癪に触るから、シバに対する悪い噂(シバ、家で小動物殺してるってよ)を流して不登校に追い込む。何食わぬ顔をしてシバの家に宿題を持っていく偽善者ぶりを遺憾なく発揮。罪悪感、薄。そんなある日のこと、シバが好きな子の存在を匂わせて…?!(作者)どきどき(回収できない)ハイスクールラブ★

=

『箱と毒』2

どれだけ足しても致死量にならない。夢のような猛毒。間違いが起こらない。俺のものにしたくて、だけどできなくて、どんなに余っていても不足を感じる。矛盾ともどかしさ。この毒は、そんな毒。飲まされる方よりも使う方を苦しめる。

女子の買い物に付き合った時、化粧品に試供品があることを知った。これ自由に使っていいのよ。え、これ無料で使えんの?あはは、何それ。笑うとこ?俺おかしかった?おかしい、てか、キラくんなんか疎いよね。今風に見せかけて実は古風みたいな?は?俺めっちゃ敏感だけど?人の気持ちに対してとか。うそうそ。嘘じゃねえし。てか、ここにあるやつ全部無料で使えんの?女子ちょうお得じゃん。

あはは。

よく笑う、あの子は、まあ、かわいかった。俺に好きって言ってこなかったから。たぶん。気が楽だった。あ、言わないんだ、って思った。目が言ってんのに。全身が言ってるのに。言わないんじゃなくて、たぶん、言えない。そういうとこ、いいなって思った。悪意も善意もなくて。俺は勝手に共感してた。

わかるから。

恋愛にテスターがあるとしたら、今がそれなのかなって、二次方程式に頭を悩ませるシバちゃん見てて思う。今日も黒目がうるうるしてる。水分がいっぱいあるんだな。伏せ目がちなことが多いからかな。

「シバって、母親似?」。
「え、なに急に?」。
「あ、いや、その」。

俺がうろたえているとシバちゃんは怪訝そうだった表情をふいに崩してプハって笑う。

「どっちかって言うと父さん似かな?」。
「あ、そうなんだ」。

シバちゃんの父親に会ったことは、まだない。ないけど、黒目がウルウルしてる中年男性を想像して首をかしげる。上手く想像できないや。

「ねえ、学校来なくなったのなんで?」。

しらじらしく聞いてみる。犯罪者は犯罪現場に戻るけれど、俺はシバちゃんに真相を尋ねる。

「うーん、なんか、みんなが急によそよそしくなったっていうか。おれが勝手にそう感じてるだけかもしれないんだけど」。
「なんか、嫌なこと言われたり聞いたり、した?」。
「それは無い」。

ああ、よかった。バレてないや。
俺が、シバちゃんについての悪い噂を吹聴した、張本人だってこと。

「だから、おれの、思い込みってやつ」。
「……そっか」。
「あっ、でも、キラは変わらなかったかな!」。

シバちゃんはあわてて付け足した。
書きかけのノートから勢いよく上げた顔が間近にあってビックリした。俺が近づきすぎてたのか、シバちゃんが身を乗り出したせいか。思わず仰け反って「な、何が?」柄にもなくどもってしまう。どもる。俺が?へえ。いつも平然としてて余裕綽々で他人のペースに飲まれないことをモットーとして17年間生きてきたこの俺が。はい、この俺が。ですよ。革命。

「みんなの態度が冷たくなってから、てか、おれが勝手にそう感じ始めてからも、キラはそれまでと同じく接してくれて、」。
「接してくれて?」。
「嬉しかった、って言うか」。
「……あ、はい」。
「だから、おまえはモテんのかな、って」。

シバちゃんは自分の言葉に照れた風にフニャフニャ笑うと元の位置に姿勢を戻した。

モテてて良かった。

心底、これほど、自分が自分であることをめでたく感じたことはなかった。今まで女子の声とか呼び出されんとか正直うぜえって、思うこともあったし、思いの丈をぶつけて勝手に悦に入ってんじゃねえよって思うこともあったけど、本当にご馳走様でした。シバちゃんのこんな顔を見られるなら俺はこの先何年でもモテていたいしたくさん告白とかされて女の子泣かせていきたいなって思いました。正直。

「シバは好きな女子いないの?」。

うっかりそんな質問を漏らしてしまった。確かに頭では常々思ってたことだけど、まさか口に出すとは夢にも思わなかった。だから、シバちゃんが「えっ?」て驚いて少し顔を赤くした時に「はっ?」って声を上げてたし、気づいたらがっしりと両肩を掴んで今にも揺さぶらんとしていた。

「なに?いんの?!」。
「……ご、ごめん」。

つい謝っちゃうシバちゃん激かわ。天然かよ。
じゃなくて。

「何年何組?名前は?はあ?いつから?信じらんねえんだけど!」。
「……え、キラに言わなきゃダメ…?」。

頬っぺた赤らめウルウル上目遣いで「ダメ?」ごちです!じゃ、なくて。

一呼吸。
まず落ち着こう、俺、な?リアクションあやしいって。

「シバって、そういうの興味ないかと……」。
「あー、うん、自分でも不思議」。
「不思議とは?」。
「その人のこと見てたら、もう、いいかなってなる」。
「なに、もういいかなって、どういうこと?」。
「色んなことが、どうでも良くなるんだ。たとえば、明日の天気とか。試験の結果とか。運動音痴なこととか。進路のこととか。嫌な目にあっても、嫌なニュース聞いても、その人がいるなら、世界がチャラになるっていうか」。
「悔しいけどすごい分かる」。
「ほんとかよ?キラと共有できる感情あるとか思わなかった」。

シバちゃんはどんだけ俺を高みに置いときたいんだ。はあ尊い。

「……シバ、それって俺も知ってる子?」。

訊いてどうすんだろ。
考えてないけど、まあ、とりあえず?

「うーん、うん」。
「何それ、どっち?俺も知ってる?知らない?」。
「……キラも知ってる」。

その回答で俺の体と頭がスッと冴えた。
まったく知らない相手なら難しいけど、もし知ってる相手なら、なんとかなるかも。シバちゃんの恋が実らないよう、手回しできる、かも。

「ねえ、シバ」。
「え?」。
「俺、毎日宿題持ってくるよな?」。
「あ、うん、ありがとう」。
「授業の内容も教えてるよな?」。
「えっと、うん、でももし苦痛ならやめてくれてもい、」。
「じゃ、誰か教えて」。

強気で攻めるとシバちゃんの目が左右に揺れる。
やばい、かわいそう。困ってる。俺のせいで。ああ、かわいそう。かわいそうでかわいい。
なんで俺シバちゃんの存在に気づいちゃったんだろ。

「イニシャルで良い?」。
「は?いくない。フルネーム。当然」。

墓穴。墓穴。墓穴。
俺の頭の中で呪詛がエコーする。

「……ミヤジさん」。

俺の頭上で空爆が起こった。
ずるい。ずるい。ずるい。
シバちゃんにこんな顔させるって何様だ?
空爆は一瞬で、すぐに恐怖に似た寒気が押し寄せてきた。
ありえる、と思ってしまったから。
たとえば、学年一番のかわいい子とか、一個上の美人な先輩だとか、言うならまだ分かる。シバちゃん、女性経験なさそうだし、そういうわかりやすいほうに惹かれるってんなら、まだ分かる。だけど、ミヤジは、あかんやつ。まるで本気やないかーい。俺は少し錯乱している。

「ミヤジ。どんなとこが良いんだ?」。
「え、あー……」。
「なんかあんだろ。顔とか、声とか、性格とか。何もねえってことはねえよな?」。

つい詰問口調になってしまう。

「えっと……優しいとこ……?」。

優しいとこ?って、疑問系かわいいかよ。俺は真顔を保つのに必死だ。

「地味なだけじゃね?」。
「そうかな」。
「じゃさ、ミヤジが一回でもこの家に来ましたか?シバが休むようになってからいっぺんでも宿題運んだり授業遅れないよう計らってくれました?」。
「ないけど」。
「でしょ、じゃ俺のほうが優しい!」。

決めつけるように言い切ってから、しまったと思った。俺、動揺した。俺、取り乱した。
シバちゃんが、プハって、笑ってくれたから良いけど。
「なんか、キラって、王子様みたいなやつかと思ってたら、犬みてえ」。
「……いぬ」。
「嬉しそうになったり、なんかいきなりワタワタしたり。いろんな表情あるんだな。おれが持ってたキラのイメージと少し違う」。
「……それは悪かったな」。
「ううん、いいと思う」。

いいとおもう。
iitoomou.

つまり、シバちゃんは、俺の事が好き。と。なるほどー。

は、無いにしても?概ねそういうことでよろしいんじゃないでしょうか?!

ってくらい、はあ骨抜き。

好き。むり。しんど。ちょう好き。

シバちゃんといると、新しい自分が発見できる。しかし、ミヤジ。ミヤジかあ。うーん、ミヤジ、俺みたいなの嫌いそうだからな。そうじゃなければ早々に手を出して「ごめん、シバ。実はこないだミヤジに告白されて……いや、こんなのわざわざ言うことじゃないかなって思ったんだけど、シバの気持ち聞いてたし、黙ってんのも気持ち悪くて……だから、ミヤジは、諦めろよ」(意訳:俺にしとけ。)なんて手は使えそうにないし、どうすっかなーあ。まあおいおい考えましょう。ミヤジにシバちゃん。幸いにもお互いに行動力は無さそうだし、万一の確率も限りなくゼロに近いだろう。その点は安心しといていいかな、と。

俺に秘密を告白したシバちゃん、まだ少し頬っぺたが赤い気がする。いつか俺のことを考えてる時にこんな顔するようになってくれたらいいなって思う。心から、ほんと、心の底から、そう思う。

邪魔するやつとかみんな消したい。

2+

No.552

明方に夢想する
これは誰かの夢じゃないかって
光を孕んだ
闇は静かに駆逐される

目に届くだけじゃない
あたためるために
太陽が昇って
なけなしの寂しさを拭う

遠いどこかで
あなたも見ているといい
分け隔てないこの空を
そして不自由に気づくといい

僕たちに与えられた程度に
真相は雲のように形を変えて
それぞれの感情も留まらないって
変わらないことを誠意と呼ばないで

僕が手放したもの
あなたが手放したくなかったもの
それだけで十分
本当はそれだけで十分なことなんだ

隠し事は川底から引き上げられる
かつて命だったものの形をして
大人になるなんてずっと先のことだった
僕たちは見つけて覗き込んだ

単なる死骸がどうしてあんなに
周りの風景を掠めるくらい
呼吸を忘れるくらい鮮やかだったろう?
かつて生きていたからだとは気づけない

夕日を照り返す五臓六腑
僕たちは言葉を分けた
通じるのに通じない
それよりは幾許かマシだろうと

日に縫い目などないように
変わりゆく僕たちにも嘘偽りがない
それほど高度になることはない
いつまで経っても覚束ない

死者ばかり美しいか
そんなわけはない
どちらからともなく始めた遊戯
生きている者にも手向けの花を

運命のように出会ったこと
忘れても染み付いている
こみ上げる涙は取っておく
百年後に来る再会のために

2+