むずかしい言葉
核心を突かないため
芝生にスカートがひろがる
靴底はフレアに隠している
見えない鎖があって
見えない壁があって
見えない棘があって
それでふたりは近づけないの
紫の猫が笑う
見えない棘も
見えない壁も
見えない鎖も
なんにも見えないんだ
なぜってどこにもないからだ
でも信じたいふたりがいるんだ
それで存在を許されるんだ
見えないくらいで
疑うこともない
見えないくらいで
嘘になることもない
贅沢な遊びだ
死ぬまでの時間つぶしだ
綺麗な装丁には収めてやらない
死ぬまで鏡と向き合っていろ