【雑記】ばいばい、ホームボタンちゃん。

iPhoneからホームボタン無くなるのか。Gizmodoのこの記事好き。物理への安心感、帰路への保証。まさにそれ。物理も壊れるときは壊れるのになんだろうね。時代が変われば物理に拠り所を求めなくて平気な世代が出てくると思うと急に年寄りじみた気分不可避。
そういやiMac使い始めてしばらく経ってから遅ればせながら驚いたのは「意外と使えない」ってこと。マックが使えないと言うよりマック非対応のソフトがあまりに多かったということですな。マックはいいんだけどウィンドウズ優勢過ぎてその状況を調べもせずiMac買ってやったぜうえーい★てなってた自分情弱すぎる。なんかイメージない?マック=なんでもできる。っていう。マックでできることは大体ウィンドウズでもできる。でも逆がないこともある。ウィンドウズでできてマックでできないことは多い。むー。こうなったらiMacの隣にウィンドウズPC置こうかな?!トレーダーの部屋見たくなるけどな?!っていろいろ調べてたらすっげーいい話きいた。それは、マックパソコンで仮想ウィンドウズ環境つくることであった。あーーーなんで知らなかったんだ。やばい新たに買おうとしてた。マウスとキーボードとデザインはマック好きだから、でも中身はウィンドウズが慣れてて…ってキメラ的展開なんとかなりそうで良かった良かった。…なんとか、なる、んだよな?とりあえずやってみる。そしてさ驚いたのがそもそも若者はパソコン持ってないってことですよ。いや、普通の若者がスマホで満足、事足りるのは分かるけど3D動かしたり動画編集までスマホでやるってほんとか。もうね、おじいちゃんびっくりしたわ。そうはいってもやっぱりパソコン欲しいなーって声が多数だけどそのうちさ、それこそもう物理デバイス消えるのではないか。頭でイメージしたものがそのまま他人や公共と共有できるようになるの。ドラえもんの世界にあった気がする、考えが吹き出しになって他人にさとられてしまうやつ。ほんとサトラレの世界だよ。そしてそれを取り締まる法律とか守護的な立場の人や組織が出てきてみんなわーいってなったらそいつらが実は黒幕で国家転覆をもくろむ悪の組織でその上層部と情弱庶民のBL読みたい。「俺にはおまえの考えなんか手に取るように分かるんだからな…ククク」って悪役攻めの脳内に屈託無い受けの好き好きオーラが雪崩れ込んできて赤面するのかわいくない?自分への誹謗中傷にまみれてると思ったら好き好き大好きメッセージがだだ漏れで許容範囲オーバーヒートのほっこりはん。うーん、どうだ、どっちがいいか?どっちがいいと思われますか?攻めの脳内に受けの思想が雪崩れ込むのとその逆では?砂原糖子さんの小説で似たようなのすでにあったな。設定違うけど相手の考えてること流れ込んでくるやつ。しかし不便性の風流ってあるよね。ある程度のめんどくささや障害がストーリーの要ってやつ。スマホの登場で消えたトリックや不可能になった設定っていっぱいあるじゃん?「え、スマホ使えば万事解決じゃね?」みたいなの。テクノロジー発展の陰では陽の目を見なかった多くのストーリーがあることにも思いを馳せて欲しいなと思うこともありますし思いを馳せたりするんですよ。暇人ではないですよ、毎日めっちゃ忙しかったり昼寝したりはまあしてますがね。

はあ。秋めいてきた。

1+

No.551

欲しいもの
禁じられている
蒸留されて
宝石になるために

きみは手を伸ばす
その手で支えるんだ
支えられていると思っていただろう
きみなしで夢はこの世に居られない

目を覚ますたび無色の光が
からだいっぱい満ちてきて
おはようを言ってくる
昨日のことなんか忘れたみたいに

何度も逃げ出したのに
びくともしないで
枕元にある
不安を食い尽くしてかがやく

たまに思い出すんだ
思い出すことを忘れないよう
手のひらに浅く彫ってある
きみもいつかいなくなるって

何も特別なことじゃない
特別は特別に埋もれて日常になる
だからって平然とできるわけじゃない
生まれながらに贅沢なんだ

なのに不思議でたまらない
きみたちはまるでこう生きる
百年後も千年後もここにいるみたいに
何食わぬ顔で他人を傷つけ他人を欺く

きみたちの一生は花の一生だ
無知が癒しであることの認識すらないまま
素直になることを放棄する
それでいて何もかも知ったふうに笑う

喧嘩している間にも
沈黙を保っている間にも
時は刻まれる
残りの明日は減っていくのに

手遅れになんないように
あとで泣いたりしないように
ぼくが今きみを愛そうとして
好きだって言うと急に泣いたりする

やわらかくて弱い者、
ちいさくて賢い生き物、
きみがぼくを慈しむ時
ぼくはきみの集めた幸福にさらされている

1+

No.550

ここはあまりに色彩豊かで
どんな夢も生きてられない
誰も見ることがないならば
あなたが忘れてしまうのならば

太陽は同じ場所でリセットされた
ある人はそれを恨んだ
ある人はそれを幸せだと言った
抽斗の剃刀がひとりでに血を流す頃

まだ見ぬ接続口を探してる
仮面のままぬくもりを探してる
ぼくもまた人間ですと証明したくて
人間にだけはなりたくなかったのに

密室でカレイドスコープ
(肉体は連れていけない)
想像のプラネタリウム
(あなたが粒子に戻るまでは)

なりたかった?
なれなかった?
いいや、なろうとしなかった
それが真相、それは秘密。

何回殺した?
(何回でも)
何人死なせた?
(ぼくばかりを)。

2+

【小説】『箱と毒』

1つ前の話のちょっと前の話。気まぐれに続いた。けど、これ以降は続かない。独占欲強め病み美形人気者→自己評価低め庶民派無自覚地味メン。性癖です。BL風味?展開(といえるかな微妙?)。

額に書いてあったらいいのにな。自分とその子がうまくいく確率が。そうしたら誰も間違わないだろ。おれを好きになる女の子みんなかわいくてかわいそうだよ。だっておれはその子たちを絶対好きになんないから。だから、分かればいいのになって思う。そしたら誰も傷つかないし、誰も傷つかない世界を望んでる自分なんてものに罪悪感を覚えることもないだろうに。不可能性の高さで恋愛対象に選んでるなんて思われたくない。おれの好きな子は絶対におれを好きになることはなくて、でもそれが分かるからおれはその子を好きなんじゃない。できることなら好きになって欲しいと思う、でも、そうなったらそうなったで手を取り合ってさあ、次はどこに行く?って光景も想像できなくて、それはまだおれが臆病で自尊心を大事に持ってるってことの証明になるのかな。

みんなと一人ずつ愛し合えたらって思う。ほら、体育祭のフォークダンスみたいに。一人ずつね、平等にね、音楽が鳴り止むまで。

好きです。ずっと、好きでした。って、そう言われておれがどんな気持ちになると思う?腹が立って仕方がないんだ。だって気持ちを伝えたんだろう。おれはできないのに。おれには、できないのに。だから返事はそっけない。ありがとうとも言わない。ごめんねとも言わない。ただ、ふうん、って言う。だって、他に言いようがないから。おまえたち、ほんとずるいよ。好きな相手に好きだって言って、これだけ好きだったって言って、時々黒目をうるうるってさせる、そういうの、ほんとずるい。おれがどんなにひどい言葉を投げつけてふったって事情を知ってる友達が慰めてくれて時間がかかっても次の相手を好きになれるんだろ?切羽詰まってないんだ。にこにこ笑ってる顔に肉片ぶん投げてやりてえとか全部秘密にしたいからありったけの目を潰してやりてえとか錯乱する夜はあった?せいぜい裸とか制服以外の格好とか体温とか想像して勝手に幸せになれたんだろ。

内面がどれだけどろどろでもすべて封印してにこってできるのが小さい頃からのおれの数少ない得意技であって、でも汎用性があるからすごく多くのひとが錯覚してくれるんだ。おれがほんとはどろどろだって最初に気づいたのがシバだった。

「なんか、おまえに、殺されそうな気がする」。

さいしょ、シバちゃん、おれにそう言った。まだ会話らしい会話もしてないのに。目が合っただけなのに。なんで?なんでなんでなんで?正直焦った。なんで気づいた?でも、いや、落ち着け。待て。シバちゃんは「おまえに、殺されそう」って言ったんだ。おれの気持ちはちっとも見抜かれちゃいない。ていうか、逆。殺されそうとか言っておきながらシバちゃんはおれと一緒にいてくれることが多かった。シバちゃんの目はいっつもきらきらしてて雨の日の子犬みたいで捨てていきたいような拾いたいような気持ちにさせる。だけどシバちゃんは普段メガネをかけてるから誰もそんなこと知らない。だってシバちゃんはあのクラスでは透明人間だもんね。正直おれにも見えてなかった。おれのまわりには常に、いいにおいのする女の子や、声のおっきい友達がいたから。シバちゃんは無味無臭。いじめられてるわけじゃない。だあれも気づいていないだけ。だけどおれが気づいたんだ。おれが気づくってことは周囲がじょじょに意識し始めるってことを意味する。

案の定、教室で、シバちゃんの存在が少しずつ色を帯びていった。女子も男子もシバちゃんをおもしろがりはじめた。「シバくん、いつも何読んでるの?」「シバ、サッカーする?あ、やんねえの」「バイト先に遊びに来てよ」「シバ、宿題見せて」「シバって、どこに住んでんの?」たしかに、色を、帯びていった。「あ。なんか、シバの目って、なんかきらきらしてんなあ」。

やばい限界むり。

教室が静まり返っていた。一瞬何事かと思ったけど、どうやら俺の行動に起因する静寂だったらしい。「びっくりした、おまえいきなり椅子蹴るから。びびったんすけど?」。一緒にいることの多い男子の一人がそう教えてくれなければ、おれは自分のしたことさえ思い出せなかった。

翌日からおれは明確な意図を持ってクラスで立ち回った。高校入学依頼始めてあれほどやりがいのある「目標」を見つけた。ほどなくしてシバは学校に来なくなった。いや、来られなくなった。おれがそうなるように仕向けたんだ。

「あいつ、小動物を解剖するの、趣味なんだって」。

それだけ。ほんとそれだけなんだ。

シバが学校へ来なくなって数日経った放課後、おれはシバの家の玄関前に立っていた。表札を眺めながら立ち尽くしていると、シバの母親が買い物から帰ってきて家へ招き入れてくれた。シバと違っておしゃべり好きで、よく笑う人で、なんだか申し訳なかった。

「あの子にこんなかっこいいお友達がいたなんてねえ」
「……あの、シバくんって友達いますか」

言ってから、しまった、と思った。
だけど、シバの母親は明るい人だった。

「小学校低学年くらいまでは調子良かったんだけどねえ。……あ、あの子には内緒ね」

内緒も何もねーだろ。ってくらいの声量だった。

「シバ、入るよ」

まさかこんな展開に。ってくらい、予想はしていなかった。郵便受けに宿題プリント突っ込んだら帰るつもりだったのに、こんなところまで。
シバの母親に後押しされるような格好でおれはシバの部屋に入った。

数日。たった、数日か。ほんとに?数週間でも、数年間でもなくて?本当に?

シバの姿が目に入った瞬間、大袈裟でなくおれは泣きそうになった。ごめん、って、一言漏れる。贖罪にもならないのに。だけどシバは意味を取り違えて「……あー、いいよ。だいじょぶ。本読んでただけだし」。

「ごめんな、母ちゃんがはしゃいでたろ」
「あ、いや。歓迎してもらって、嬉しかった。てか、すごい明るい人だな」
「うん、面食いだから」

ん。てことはシバはおれをイケメンだと思ってくれてるのか?単純なことに気分が高揚した。

「シバ、学校来ないの?」
「なんか行きづらくなって。何がってわけじゃないんだけどな」
「そっか。無理するなよ」
「うん」
「勉強とか、おれが、教えるし」
「え。マジ。助かる」
「シバが迷惑じゃねーなら」
「いや、おまえこそおれの家なんか来てて大丈夫?ハブられたりとか」
「気にしない」
「あー、でもありがたいけど、行けたら行くようにする、学校」
「ゆっくりでいいと思う」

この事態を招いた張本人を前にシバは無防備だった。そしておれも無防備だった。すらすらと善意の言葉が出てきた。そのうち、シバがこうなったのはおれのせいじゃない。と確信できるまでに至った。だって、あいつらがおれなんかに乗せられるのが悪いんだ。自分の意志もなく、おれが言ったことに同調して。どうしてシバを信じてやらないんだ。シバが、おれの言ったような残酷なこと、するわけない、だろ。それくらい、わかれよ。

「てか、シバ、家ではメガネしないんだ」
「あー、うん。あれ伊達。自分の世界に没頭しやすいから」
「なんかわかる」
「え、そう?おまえには理解できないはずだけどな」

自分の言葉にシバは、へらっと笑った。

あの日教室で椅子を蹴った時より強い衝動が自分を襲った、と思った。あの日と違うのは、自覚があったこと。そして、それを、自制できたこと。

「おれ、シバが好き」
「そう?ありがと」
「ほんと好き」
「え?なにそれ。感性おかしいの?」

こんな話を聞いたことがある。実話か小説か。本で読んだのか、ネットで見かけたのか。
病弱な妻を看病する夫は、妻の食事に毎回少量の毒を混ぜる。愛する妻が、決して回復しないように。それでいて死なないように、ただ弱らせて、家に留めるんだ。
この話はどんな結末だったろう。それとも、この話自体が、おれの、空想かな。

「ゆっくりでいい。ほんと、無理だけはするなよ」
「べつに、病人じゃあるまいし」
「そっか、そうだよな」
「そうだよ。おまえがおれなんかに過保護になんの、なんかもったいねえよ」

ここでシバを押し倒してみる?いやいや、絶対にありあえない。今このタイミングで、もっともしてはいけない行為だ。おれはふと、これまで自分に告白してきた女の子たちの顔つきや表情を思い出す。不安そうだった。思いつめていた。それでいて、ようやく感情を発露できて、恍惚としていた。のろい、かもしれない。少し、そう思う。誰に対しても、共感を示さず、冷徹に、振り払ってきた報いだって。でも仕方がないよな。同情で回答するものでもないし。ほら、平等なフォークダンスだよ。言っただろう?おれの前にシバが来たんだ。それだけだ。音楽が続くうちはローテーションが止まらないなら、おれは停止ボタンを押してやる。そして二度と音楽が流れないよう、致死量未満の毒を、少しずつ少しずつ、逆光でいっぱいのこの部屋に住むこの体に流し込んでく。

2+

【小説】『平成のシバちゃん』

夜空に大輪の花が咲く。
無数に、あたかも無数であるみたいに。
燃え尽きなかった火の粉が空からパラパラ降ってきて木とか建物が燃え上がってそのうち大火事になって世界まるごと燃え尽きちゃわないかなって妄想が頭をぐるぐるする。

「シバちゃんと見られて良かったよ、今宵、平成最後の打ち上げ花火を」

どうせ聞こえないだろうと思って呟いたのに「そうか?」なんて情緒のない返答がある。言ったこっちが恥ずかしくなって「つまんなかった?」。

「べつにつまんなくはないけど」
「けど?」
「なんかしっくりこないなと思って」
「どういう意味?」

だってさ、とシバはおれに向き直って言う。教鞭のように突き出されたじゃがりこをぽりぽり食い始めると一瞬だけ嫌な顔をされたけど取り上げられることはなかった。

「だってさ、おまえは彼女と別れて仕方なくここにいるんじゃん?」
「そうだっけ」
「そうだったろうが」

ぺちっ。シバちゃんがおれの頭を叩くためには少し背伸びしないといけない。律儀に頭を叩いてくるのだから可愛い。

「おれは最初からシバちゃんとここに来たかった気がするんだけどなあ」

褒められることは数多あれど貶されることはほとんどないスマイルを浮かべると「都合のいいやつ」「二枚舌め」「たらしが」などと散々中傷された挙げ句「ま、いいけどよ」。許してもらえた。

今年ももう終わるね。
いや気が早いし。
夏が終わると一気に坂を駆け下りてくようだったじゃん?毎年?
おまえの時間感覚なんて知らねえけど。
もう年の瀬か。
うーん、頷きかねる。

舌の上ではじける炭酸みたくパチパチ瞬いてた花火を人差し指と親指の間につかまえてプチッと潰したちょうどその時、ふっと世界中から光と音が消えた。ふたり以外の。

「99.9%」。

おれの言葉に、シバは「何が?」とこちらを振り仰いだ。

「おれとシバちゃんがうまくいく確率」。

シバは心底不可解そうに視線をさまよわせた。何言ってんだこいつ?って顔に書いてある。子犬みたいに黒い目がきらきら光ってる。光なんてないのに。きらきらって。
ああ、いいな。
見上げてくるシバちゃんの目にも、シバちゃんを見下ろすおれの目が、少しでもきらきらって光って映っていればいいな。
シバちゃんは見たことないんだろうな。シバちゃん自身の目が、こんなふうにきらきらって輝くところを。
シバちゃんも知らないのに、おれだけが知っている。おれだけが許されている。おれだけが、おれだけが。なんて贅沢。なんて至福。なんて恩寵。なんて、なんて。

「シバちゃん、あいわらず鈍いんだから」
「悪かったな」
「それとも、わざと?」
「何がだよ」
「な、わけないか」
「いやだから何がだよ?」

クライマックスは絶好のチャンスだって、子供の頃、いとこの兄ちゃんに聞いたことがあるんだ。もう地元にいないけど。みんなが空ばっか見てるだろ。だから、絶好のチャンスなんだよ、って。

「ねえ、シバちゃん。来年も一緒に見ようね」
「どうだろ。それはお前次第だな」
「じゃあ100%だ」

忘れかけてた音が始まる。
空は防弾ガラスのように強固だ。
でも、たまに、不安になる。
思いがけず割れて宇宙の外側がどろっとこちらの世界へこぼれてきてしまったら?
しかも、一瞬のことじゃなくて。
時速5キロの速さで、のろのろのろのろと。むこうの世界が流れ込んできたら?
術はないのに時間が中途半端に与えられて。
その時おれは何ができるんだろう。その時おれは何を救えるんだろう。
少なくとも、せめて、できることなら、シバちゃんに軽蔑されたくないな。
できるんだろうか。
わからない。
でもそれって考えても仕方がないから、1秒でも多くシバちゃんを構う。

「じゃあ100%」。
「いや聞こえてたから。なんで2回言ったの」。
「大事なことだから」。
「わけわかんね。きもちわる」。

だけど、こうまで鈍いシバちゃんも、それはそれで捨てがたいや。

2+

No.549

あ、ここまでだ。
過去に体験したわけじゃない
誰かに聞いたわけでも
ましてや標識があるわけじゃない

行きどまりだ。
って、そうわかるんだ
分かる、ってことは願望だ
ぼくたち、ここを行きどまりにしたい

見据える強さが欠けていた
でも誰も責めらんないでしょ
って反論する強さだけあって
つまりとても幼かった

幼さは無知で罪でかけがえがない
土台となって形成を支える
積み重ねる全てがこれへ捧げられる
ぼくたちに眠りは要らなかった

それでいつもハイテンションだった
まどろみは克服すべき仇だった
おとな、連れて行くつもりなんだろう
秩序があって平穏で退屈な日常へ

それでぼくたち逃げ出したんだ
夜が明けたら太陽の影へ
赤と青の実が惑わす深い森へ
時には野良猫の中へだって

何者かわからないでいたい
お互いに名前なんてなかった
どうせお互いしかいないんだから
景色に馴染むほどやわでないんだ

(そう、信じていたかったな。)

誰かに首を絞められる感触で気がつく
苦しくないのはきっととっくに死後だから
裏切ったのはどちらか?興味はない
多少の強がりであることは認める

なかなか思い通りになれなくてごめん
名前なんてつけようとしてごめん
あなたの選択の結末を見届けられない
それだけが唯一の心残りかな。

2+

No.548

言葉が出なくて空を見た
口に星が落っこちた
咀嚼して飲み込んだんだ
あす別の生き物になれますように

待っていれば落ちてくるのか
君の心がままならないことに
腹を立てているようではまだ
これからもまた翻弄されるんだ

差し出した手のひらをすべらせる
表示された色がイメージと異なる
違う、もう一度すべらせる
繰り返すうちに欲しいもの忘れてしまった

先に壊したほうが痛みも少ない
壊れやすいものを守ることは難しい
少なくとも僕にとってはそうだった
つけ込まれやすい平和はリスキー

目を開いておくよう伝えよう
無責任な甘い夢を見ないように
夜のすみっこを探さないように
僕に隠れて泣かないように

口を開けば星が降ってくる
躊躇わずに噛み砕いて飲み下せ
何千何億もの物語が無効になる
誰かを傷つけずに誰も生きられない

君は僕を傷つけていく
僕も君を傷つけていく
そうすることでしか埋められない
そうしたって分かることは何一つなかった

2+

【雑記】夢中にならなきゃ生きられない未来。

ちょっとするはずのことをする予定がなくなったからブログを書いていますが、読んだりもします。米津玄師さんのLINEBLOGの感じがけっこう好きで、いい歌作る人はブログまで良い感じなんだな。うむ!てなりながら、読んでますが。去年8月記事にこういう文章あって「それだ。」て、なる。

親が近所の人に「うちの息子は全然駄目で〜」みたいなことを言ってる姿を見て、お前が育てたんちゃうんか、と憤ったことを憶えている。それ以来こういう謙遜文化は悪だなと思うようになったので、自分が作った音楽にはいつだって胸を張って「美しい」と言ってやろうと思っている。むろん美しくないものを出してるつもりもないけど。

LINEBLOGには千眼美子さんのブログあって何気なく読んでたらけっこうあかるく幸福の科学ネタ書いてて「そうだな。」ってなった。メディアがさんざん叩いた人もそのあとの生活があって楽しいこと楽しいって感じながら生きてて、いや幸福の科学についてあんまり知らないけど、もういいじゃん。てなった。個人のブログっていいね。マスメディアが植え付けたいイメージとぜんぜん違うんだもん。テレビでガーッと言われてる人がブログやSNSでピカーッと光ってるとほんと希望だなって思うし、これが強さだと思うな。中央集権は(マスメディアはもう崩壊してるかもだが)、どんどん時代遅れになってって、一箇所停電したら全部だめになってしまうような時代は、もう、なくなってくんだよね。分散化だよ。

誰かが植え付けようとしたイメージに踊らされることも泣かされることもないし、反論したければ自分のメディアで反論ができる。し、見るほうもそれを一次ソースとして尊重すべき。どうだろ、みんなはどうとらえてんだろ?かつてのマスも昨今ではだいぶ「この流れやばいな」ってんで視聴者やSNSに寄り添った(媚を売ったような)あり方に変わってきてるように思うし、データ活用とも言えるんだけど、マスはマスにしかできないことするともっといいのでは?「お、やるじゃーん」ってなるのでは。隷属的にならずに。追従じゃなくて差別化といいますか、なんかできるのでは?それが何かはここで考えることをしないしべつに期待もしてないが。

ただ、「こういう世界あるからこっち来ればいいじゃん。」て言える、いろんな選択肢が並んでる状態の時代って、もっと色濃くやって来ると思うのね。うん文章おかしいね。直さないけどね。

これまではマニュアル通りにできる人がちやほやされたけどもマニュアルは人間がこなすべきことじゃなくなってAIの領域になるから今後は好きなこととことんできる偏執狂の時代になってくのね。で、そうすると取り残される人種がどんな人種かというと「好きなものがないひと」「夢中になれるものがないひと」なのね。時間を忘れるほど打ち込みたいことなんてない、仕事がなくなったら何をしたらいいかわからない、何をしても飽きっぽいし熱中できない。こんな人がこんど路頭に迷うのね。で、となると将来のペテン師像もイメージができてくるぞ。「あなたを夢中にさせるもの見つけます」とかさ。「あなたが本当にやりたいことをあなたのオーラから見抜きます」的な?さ。みんな夢中になりたくて、夢中になれるものに恋焦がれて、夢中になるためならなんだってする!っていう、夢中になる対象を見つけたい症候群に一斉に陥る時代がドーンとくるのでは。想像でものを言います、ええ。そういう場所ですからな。

だからそうなると夢中格差ですよ。世の中は大夢中戦国時代になって、いかに好きなことに熱中できるかで人間はランク付けされて何においても夢中になれない人は落語者で這いつくばって生きてくしかない的な。えっあなた会社も行かず四六時中ゲームしてたんですか?羨ましいです!どうしたらそんなに夢中になれるんですか?どうか僕にも教えてください今日からあなたを師匠と呼ばせてください死ぬまでついてきます!って段階までいってしまったらこれはもう夢中コレクターという亜種ですね。そんで夢中になるためのノウハウ蒐集家として国内に名を馳せるんですが世界は広い。もっと頭のおかしな夢中コレクタがいてそいつはなんつうかもう「夢中になったものへは命を差し出すのも厭いません!」と言いながら死ぬのね。それにエモさを感じて後追いする若者が続出してもう地球人口激減するから。そうしたらそろそろ人々も熱狂からさめて「あれ……おれたちは、一体何を……」あたりを見渡すと無数の死体。その体じゅうに「夢中」の文字がびっしりと入れ墨されているのであった。

って時代が?

A:来る
B:来ない

ファイナルアンサー?

2+

【雑記】フライパンでバッティング。

自分が昔書いた話好きすぎて泣いた。

って、馬鹿っぽいけど幸せなことじゃありませんか?何回か同じこと言ってるけど、自分が肯定しないことには、自分が「ふぁ……イイ♡」って思えなければ、続かないでしょうよ。根拠なき自愛の重要性を認識すべき。愛も自信も根拠がないから愛や自信になるのであって、むしょうに謙遜したくなるのも人前だからでしょ。いや謙遜したって分かるからね、謙遜=自分の作ったものが駄作だと本心から思っているのではなくて、差し出す相手への働きかけですよ。

「私、料理つくりました。自分で味見した時めっちゃうまかったです。だけどあなたの味覚よくわからんからあなたが美味しいと感じることができるかどうかは私の預かり知るところではない、てか知ってたら怖いやろ?ん?なもんで便宜上謙遜して差し出しますが劣悪品ですって紹介してるわけと違いますよ勘違いしないでね」ってことでしょ?でもこれが逆になると危ないんだよ、逆ってなんにせよ危ないっすね。逆流。逆走。逆探知。うん危ない。

「私これ美味しかったからあなたにも口にしてほしくて差し出してみたけどどうやらあなたのお口には合わなかったみたいで吐き出してしまいましたね、私料理人失格なんでもうでしゃばりませんね料理つくりませんね、だってあなた吐き出したから」。

って逆転発想になると今度は大変ですよ。あのね、だって、ないがしろにされる人間が多すぎるんすよ。

あなたが料理をやめたことで誰かが幸せになるか。たぶん、ならない。もしかしたら「まっずい料理食わせやがって、ぺっ!」って人は多少せいせいするかもしらんけど、あなたが料理をやめたことで幸せになるってところまでたぶん面倒見切れんのね。ていうか気にしてない。

にもかかわらずあなたはフライパンを捨てる。

こうすると、今度は飢えて来る人が出てくるわけです。3タイプも。

1.あなたの料理を食ってたひと(「うまい」と言う言わないにかかわらず)
2.あなたの料理をこれから食っていたかもしれないひと(とりわけ「うまい」と感じる味覚の持ち主)
3.あなた自身

ほら、こんなに。やばいでしょう。こんなに多くの人が、あなたがたった一人の人間から「まずい」言われたことをきっかけに料理やめたせいで飢え死にするんですよ。平気ですか?生きていける?あなたはそれでも 人 の 子 か !

ってなるでしょう。

でもある種仕方がないとも言えるんですよ。なぜってね、クレーマーは文句言うけど、受け入れる人ってとりわけ何か言うわけでもないから、なのね。「うむ。今日もうまい。ごちそうさま」。おわり。

これじゃあ、料理人が「まずい。」のたった一言に過剰反応してしまうのもある意味仕方がないと言えて、なのでちゃんと愛を示そう。おわり。

2+

【雑記】優しさが優しいとは限らない。

闇の力ぽいものを、軽視したり忌避したり、ましてや打ち消そうとして抗うことはないように思う。楽しいという気持ちや好きだという感覚を自然なものとして受けいられるように、その逆もまた受けいれなければ、人として嘘であるように思う。それは自分にとって好ましくなかったり、一見不利であったり、周囲に露呈したら恥ずかしいことのように思われる。そういうわけでひたすら隠したくなるかも知れない。だけど、どんな感覚であれ生じたからには自分がそう感じたはずで、しかも意外とまじでこいつをうまく利用することで、より良い方へ、より高みへ行けることがある。コンプレックスや、嫉妬心など。復讐心とか、あいつを見返してやるんだという気持ちとか。こういう感覚は抱いていても仕方がない、際限がない、そんなもの捨てて自由になれという人にたまに会う。きっと誰でも。だが、そんな時は、果たしてそうだろうか?と、思って欲しい。それは自身の中にある「こんな感情捨てたい」「苦しい」「恥ずかしい」に一致するので、その人のいうことはさも正論であるように感ぜられる。その人こそ自分を正しい方向へ導く救世主なのでは?とすら思う。だが待てよ、と、ふと思って欲しい。それ以前に。その感情が、感覚が生まれたのは何故か。それをよく知りもしないで「自由になりたい。解放されたい。美しい心の持ち主になりたい」と思って捨て去っていいのか?てか、できんのそれ?幸せを噛み締めている時に笑うなと言われたら腹が立つように、マイナスの感情が湧いた時にそれをただちに捨てろ解放されろ自由になれと言ってくる人物に対しても、また反感を抱かないと嘘では?どちらも自分のものだからだ。助言してくる人がどれだけ善意で、または悪意で歩み寄ってきているのだとしても、思考の持ち主はいつだって自分だし、自分でなければならないと思うからだ。すぐに共有して分かち合って励まし合ってたしかめあって舐め会うような、絆。絆って、きもちわるいや。って、わざわざ口に出す必要もないけど(なぜなら本心から絆が必要な人もいる)、違和感を抱いて欲しいんだ。もっともらしくても、正しくても、優しくても、好意的でも、善意でも、一瞬「うーん。それは、どうかな」っていうのを。他の種類の感情と分け隔てなく、難しいのだとしても、自分に生じたものであるなら、全部なにかのメッセージだとして、自分だけで受け止める夜があって欲しい。すぐに救いを求めるのでなくて、それぞれひとりで泣く夜があって欲しい。雑多なようで、潔癖すぎるよ。ごちゃごちゃしたものに対して。シンプルなものは羨ましい。しかし簡単に操作される。俺の人生に口を出すな、くらいの気概は、心のどこかにあるといい。

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