No.544

誰かが残した道しるべ
初めてそれを見つけたぼくは
道しるべを立てた人を恨んだ
おまえのせいだ

幸せだったのに
楽しかったのに
おまえが道しるべなんて作るから
自分が迷子だと気付いてしまった

あの人を抱きたいと思ったことはない
抱かれるあの人を見たかったんだ
あの人が誰かに愛されてやまない光景は
この世でもっとも美しいだろうから

純粋だったのに
本心だったのに
ひとつの道しるべが水を差した
広く見聞きなんかするんじゃなかった

手綱が緩んだのを敏く確かめ
ぼくの馬は駆け出した
草むらに投げ出されたぼくはひとり
この世界には隅っこがないことを知るんだ

3+

No.543

届かない手紙を書いている
出さない手紙を書いている
宛先はきみで送り主はぼくで
手紙とは名ばかりの走り書き

ばかな勘違いしている人のほうが
幸せに見えることってあったんだ
いずれぼくもそうなりたいんだよ
思って、ガラスペンを手に取った

きみがいない世界は、
味気ないです。
つまらないです。
寂しいです。
あいたいです。

ここまで書いたぼくは笑い出し
おもむろに新たな白紙を引っ張り出す
今しがたの完成品は没にする
未完成でいられなかった物は没にする

きみがいない世界は
せいせいします。
快適です。
もし生まれ変わっても。
またあいたいと思えません。

書き終えた走り書きを三度読み返し
そこに嘘偽りのないことを確信する
いや、確信させようと試みる
そして見事に失敗をする

出さない手紙と出せない言葉
叶わない願いと叶えたくない思い
きみに後悔なんてさせたくないのに
真逆をぼくは強いているんだ

2+

No.542

ジュースに溺れそうになる
飲みたくて口をつけたはずなのに
正しさはいつも他人を傷つけて
逃れるために自分を傷つけさせた

遠い、近い、は問題じゃない
会えるか、会えないか、だ
あなたは会えない人だ
だけどそれを含めて会いたいんだ

会えないあなただから会いたいあなただ
もしも会いたい時にすぐ会える相手なら
こんなにも会いたいとは思わなかったろう
それに名前をつけたくはないけれど

夢の中であなたがぼくに向けて手を振る
そのまた夢の中ではぼくがあなたに?
踏みにじった檸檬の果肉が欺瞞を溶かす
終わりを望んでも与えられることはない

いつだって過程のぼくたち
いつだって誰もが道の途中
いつだって今いるここが絶頂
安易な逃げ道は手探りでもわかる

小指を一本だけ切り落として
流れ出す血を見ている
これが赤、あれが赤、終わらない赤
ぼくの中から呪いの色が消えていく

もう弁解をしなくていいの
ちいさな握りこぶし大の暗闇に戻る
ぼくもあなたも命なんかでなかった頃の
ぼくとあなたが兄弟ですらなかったあの頃の

4+

【雑記】ハッカとエゴ

精製水にハッカ油混ぜたものを100均で売ってるスプレーボトルに入れてシュッシュするだけで立派に虫除けになりますよ。ハッカ油数百円。薬局でも売ってる。千円以下でオーガニックかつ効果抜群のG対策なります。まあ出ちまったもんには殺虫剤使うしかないがな。即効性の殺虫力はないんだ。あくまで予防対策であって。

だが私これ使うようになって思うんだが、自分だけよければそれでいいのかな、って。ハッカスプレーに限らず、とくに梅雨の時期になると噴出タイプの霧状のね、スプレーが店頭に並びますでしょ、使ったことないが?あれも結局「我が家だけは御助けを」精神でしょ。

自宅からやつらを追い出して、自宅さえG攻勢から守れればそれでいいんだ、っていう。それって裏を返せば他の土地に敵を送り込むのと同義でない?わし思う、それでいいのかな、世界はそれをして大戦になったのではないかな、って。

でもそんなこと言ってたら何でもかんでも自分の責任になるんでない?それって自意識過剰ともとれるし現実的にすべてのことに因果関係見出し謝罪心から身動き取れなくなったら死ぬより他なくなるんでない?とも思うので視野は狭い方が救命にはなるのかもな、とも思った。

そもそも私どっちかっていうと自分さえ良ければの傾向あるし(告白)、ひとりひとりがそうやって御自愛できてれば誰もないがしろにされなくて済むんでは?他人が蔑ろにしても自分自身だけは最後まで自分の味方でいてやんねーと絶対無理だって。それをしないで他から大事にしようとすると自分の中の野生が牙を剥くのでは。そして最終的に他人を傷つけ自分も傷つくんだよ。みんながみんなまずはエゴイストになれば、生来エゴイストもむやみやたらと罪悪感を抱いたりに無理矢理に抱かされることもなくなり世界はまあるくなる、パンケーキ俯瞰図のように。

てことを思いながら今朝も網戸にハッカをシュシュした。ぜってーここへは来るなよ。シュシュシュ。

3+

【雑記】風を送りし者

いつも翻弄されているよ
冷たくなったり暖かくなったり
限界を訴えているの?
まだ終わらせてなんてあげない

真夜中にふと目が覚めて
体の熱にうなされる
遠い昔を思い出す
まだきみがいなかった頃の話だ

時おり苦しげに鳴くね
まだ大丈夫だよ?
もうやめてくれ?
悪いがわかってあげられない

わかってあげたい
だけどきみはここにいる
目の前にぼくがいる
だったら冷やすべきだろ
保証期間は切れてんだ

+

たまに調子悪くなるエアコンの詩

きみは、なんぎょうめで、わかったかな(o^^o)???

+

『大家さんと僕』読んだ。かわいい。あたたかい。やさしい。すべての老人に、矢部さん付いてほしい。何気ない、普通の、一般の、人生が、特別であることを。映画化されそうー。と思って調べたらもともと映画のプロット的な流れでつくられたとか。絵とか間の取り方?よかった。

+

土日のショッピングモール行くのたまに好きです。ってことはたまには嫌いってことでつまり好きでも嫌いでもない状態。特筆すべきことなどないってことですね。ただ昨日は好きな方に寄ってて、いろんな家族や人々がいるなあって思いながら歩いてたんだけど、一昔前は「デパート」が今で言う「郊外型ショッピングセンター」であったわけで、私の記憶にもかすっているな、と。十年後、家族で買い物に行く場所の象徴ってどこになるんだろう。サイバーか。やっぱサイバーか?しかしそれもないように思う。生身は生身として残るんだ。何でもかんでも電子にならず。そう思った。きのうひさびさにリアル書店行って、前述の大家さん本と、スノーデン告発本と、ホリエモン本と、村田沙耶香さん本と、筒井康隆本と、旅行ガイドブック買った。筒井本あとがきが星新一で筒井氏の才能にやきもきしてた。学生時代、国語教師が私に勧めた作家が星新一で、それからある種な感じになってる。合うと思ったのかな。私のどういう身振りが?そう思わせたのか。人に本や作家を勧めるってことはその人に自分が抱いているその人像を告白することでもあるよね。照れ臭くなることもありそう。高度だよね。どう受け止めるか分からない相手に対して本を勧める。うむ実に高度だ。あー、うー、ってなりそう。おすすめ本おしえてとか個人的に気軽に言われると服やヘアスタイル選んでやるより難しいって思うし責任感じるし間違えたくないしそれがその人を傷つけるかもしれないし傷ついて欲しくないし「こんな風に私のこと思ってんの?!」ってキレられたくないし時間もお金も無駄にして欲しくないしじゃあ手前が購入して進呈すればいいのでは?と思うけど花と違って枯れゆくものでもないから処分に困られても嫌だしメルカリで売っても発送の手間はかかるし申し訳ないし人生の大切なお時間頂戴するの忍びねーし、

結論:考えるな感じろ。

いやだからね、それが無礼に当たったら嫌だしかと言って「べつにないかなー」つっても余計無礼だしできれば颯爽と一冊の本をふところから取り出して「そう言われると思って備えておきましたよ」つったらスマートな紳士できゃーってなりそうだけど現実的でないしかと言って「これ読め」って電子書籍プレゼントしたくても相手が端末持ってなかったら意味ないし人におすすめ本きくとか大概にしてください。質問された方はきっとあなたを思って胸がはちきれそうですよ。夜も眠れずにひたすら考えていますよ。傷つけたくない傷つきたくない。つまんねえ野郎だなと見透かされたくない幸せになってほしい。愛のままにわがままにぼくはきみだけを傷つけたくないし実らない恋かよ。おすすめ本をきく行為、うーんなんという無自覚小悪魔。それくらいの覚悟はあるんですかないんですよね、はい決定ー小悪魔決定ーきたこれー自意識過剰と小悪魔カップルかわいい。

2+

No.541

八日目、ぼくはきみの世界から消えようと思う。花をくれた人だから。ほんものの闇は、手ざわりを確かめるためにあるよ。だから怖いことなんてひとつもなかった。まだ怖いとしたら、ひとりで寝られないほどなら、にせものの闇だ。中途半端に見える闇だ。触れた肌が冷たくて夏の終わりを知るんだ。砕けた鏡で初恋が異形となる。口を縫い閉じられて目つきばかりは雄弁に。指のひとつで思うがままだ。だけどきみは必要な人だった。人々は知る必要があるんだ。善人でなくても生きていける、そしてそれは美しいんだってことを。朝を迎えるたびに遠ざかる。さようなら。ぼくはもうきみのものではないよ。きみの、いつだって悪びれない目は、露に濡れた首輪を見つけるだろう。見覚えがないな。緑の庭に鉄は異質で、それは跡形もなく消える。きみの意に沿うようにと。傷の一つにもならないで。この先思い出すこともないままで。きみの無慈悲が世界を救う。これからきっとそうだし、これまでもずっとそうだった。

3+

No.540

あの人は万能で
たまに幼稚なところがあるんだ
きみもまたワガママで
あちらへ行きたいとあの人に告げたんだ

今じゃどこのコンビニにもある
役に立たない潤いが
装着可能なカラフルな羽や
捨てられてなよなよの愛とか

もう踏み出すのか
もう終わりにするのか
思い出さなくても仕方がないか
じゃあせめて認めてくれよ

血に汚れない白い花畑で
戦闘機の不時着場所で
この世界を見たいと言って
きみは生まれてきたはずだ

2+

No.539

夢を見るようにあこがれていた
今は夜明けが一番に怖い
自分の気持ちが隠し切れないから
どうにもそのまま出てしまうから

月が傾いてあざ笑う口元
硬い結び目もほどけていく
もう一度パーツに戻って
また誰かの遊び道具だ

あなたは忘れていく
忘れまいとする努力は苦痛だ
正しさは人を傷つける
間違うことが優しさだからだ

同じ嘘に向かうことはもうない
知らないふりができない僕たち
まぶたの裏に美しい光があって
照らし出された文句も言えない

2+

No.538

幸せであることは
なんて人をダメにするんだろう
どこまでも弱くするんだから
二度と手離したくないと思わせることで

一番欲しいものを欲しがらない
ぼくにきみは弱虫。と言った
ほんとうにわからなかったんだ
そして今ならほんとうに分かるんだよ

花と緑で編まれた壁
立ちはだかってぼくたちを試してる
断ち切って会いに行けるか
自分だけを守らないでいられるか

武器はない
(武器ならここにある)
勇気はない
(勇気とはつくられるもの)

きみの声がする
幻かも知れない
手を伸ばせば幻さえ
失ってしまうのかも知れない

だけどもう立ち止まりたくない
同じ場所で祈りだけ捧げたくない
血を流しても血のためにきみは生きる
壊そうとしても壊れなかったもののためにぼくは生きる

4+

No.537

青色の光
その正体は舌の上のゼリー
きみに届けたかったぼくの声
終わらない夏なんてないと知っていた

青色の光
その正体は静かなプール
きみが浅く沈んでいた
助ける気が失せるほど綺麗にきみが

青色の光
感情のまま発された言葉のように
取り返しのつかないことをしたんだ
信じてはいないものが見えていたんだ

青色の光
きみにも終わりは来るんだ
最後にぼくたちを映してね
許せなかったとしてももう誰も困らないよ

2+