No.854

仰向けに見た電球
魚がくれたお守りみたい
気づかなかった
忘れていたよ

あかりを消したい
照らし出すものを
ぼくは醜い
君も、そう思う?

平気そうだね
星は傷つかない
時間は流れる
立ち止まる理由は無い

幼なじみが死んだ
最後に会った時
喧嘩をしたようだ
手紙でぼく思い出したよ

人の感情を覚えていられない
悲しみも絶望も自分のため
優しいことを免罪符に裁くの
そういうところ嫌いだった

自分も他人も否定せず生きる
傷つくのも傷つけられるのも嫌
いつまで柔らかなままだろう
大人になれない子どももいるんだね

日が短くなる午後
太陽をポケットに沈めて
明日の朝きみを探しに行く
世界の明日を奪っていく