No.858

言葉がぜんぶ光になって
形を失ったらどうしよう
差し出せるものが無くなったら君は
僕を残して歩いて行くかな

忘れないよと約束する優しさが
百年後の君を苦しめるだろう
忘れないでと願う傲慢が
百年前の僕をそれからずっと呪ったように

魔法は切れたよ
あったかも、もう分からないな
午後になると眠くなって強がりを消した
緑の上でだから眠る、君は命を泥棒して。