No.855

もう届いてる、

きみが言う
手はもう届かせられる
もし届かないなら
あなたが拒んでいるだけ
本当は途中が気持ちいいだけ

ぼくは分からない
いつまでも分からない
分からないでいたい
痛みを消す理由を
知りたくない

窓ばかり広い部屋で
帰宅という言葉を練習した
ノートに何度も書いていると
応えるように風が吹く
帰りを待っている
帰りを待っていて

また交わるように信じてる
平行線は少し歪んでいて
言い訳を通用させる
だからいつまでも現実を見ない
許されないことを許している
愛されない今を愛している