No.511

見えなくてもいるよ
ちゃんと広がってあるよ
雲を払えば宝石箱があるのかな
でもほんと言うと知りたくなかった
知っていても見ることができないなら

あなたはぼくの願いごとをそろえてくる
あれもいいよね、これもいいよね
ぼくが手に入れられないものばかり
どうしてちゃんと言ってくれないんだろ
あなたごと手に入れるしかぼくには方法がない

あこがれは涙に姿を変える
誰にも気づいてもらえなくて
あなたは言うんだ、涙って、
世界でいちばん簡単に作り出せる海だよね
誰もが誰かに何かを伝えたい世界で

おでこをくっつけ暗示をかけあう
ぼくは、ぼくたちは幸せでした
この時代で、この世界で、この二人で、この今で
明日目覚めたら最初まで巻き戻す
物語は始まらなかった、だから終わらなかったと

花の棘で指先を突いてささやかな証とする
三日月はそれ以上にも以下にもならなかったと
潮は引いたきり満ちることはなかったと
だから行きたい街へ行くことができて不自由なかった
他愛もない約束を守り続けるくらい、不自由なかった

3+

【雑記】物陰から食って掛かる

私が新聞で目を通すのは、経済、文化面。あと、おくやみ欄、赤ちゃん欄。おくやみでは、毎日いろんな方がいろんな年齢で亡くなるんだなと、住所や名前から勝手に思いを馳せるんです。だいたい同じか近いページに、わたしは赤ちゃんコーナーがあって、新しい命が誕生してんなあ〜って、めずらしい名前とか両親の名前とか見比べて思いを馳せるんです。

それは日課なのでまあどうでもいいっちゃどうでも良いんですが、読者投稿欄も目を通します。特に若者の声を読むんですが、この前「うへぇ」ってなった投稿があって、小4だったかな、それくらいの者による投稿ですよ。

「AIが増えてきたら人間のすることがなくなる。なんでも機械任せになって人間の脳が退化する」って、両親が話すんでしょうかね、または教師や、テレビ番組かな?

マジでそう思ってんのかよ?と読んでいて悲しいようなむなしいような心持ちになりました。赤の他人のおまえがむなしくなるなよって話なんですが。

そしてこれを「よし」と掲載した新聞社も「ヒューマニズムおっけーい!」(?)て感じて掲載したのでしょうか。

AIが増えたら、自動化が増えたら、人間が退化する?仕事が奪われて?することがなくなる?

んなわけないっすよ。

時間ができたら人間は本当にしたいことをするんですよ。あるいは、もっとできるほうへ手を伸ばすんですよ。そうやってきたし、そうやっていけるでしょ。洗濯機が登場してきて洗濯板が減って退化したか。自動車が出て昔より安く簡単に遠くへ行けるようになって楽しくなったでしょ。インターネットは犯罪を助長したけど、救われた人だってたくさんいるでしょ。人間が運転する自動車なんてよっぽどきもちわりーよ、ほんと。あんな感情的な生き物(人間)が殺傷に至る武器(自動車)を乗りこなそうなんて傲慢だと思いませんか私は思う。数年後自動運転技術が普及したら「マジで昔って人間がハンドル回してたの?やべwww」ってなるでしょ、「いやいや無謀っしょwwwそりゃ交通事故起こるわ野蛮すぎwっw」ってなるしょ。

特にペーパー時代の長かった私としては思うんですよバック運転なんて武力行使以外のなにものでもないなって(キリッ)。今は少し慣れてきたけども。

とりあえず全部いったん疑ってみて。人が言わないほうを思ってみて。当たり前が当たり前なのか?そしてそれが当たり前とされているのはなぜか?誰かにとって都合がいいからでは?本当は違うのでは?

とかね。

ほんとにそれ人間がしたほうがいい?
それって人間がするべきこと?
なんで?
機械化や自動化は人間を退化させる?劣化させる?
それだけ?
それ以外になんかあるでしょ?

そんなふうに考えてほしいし、考えられる世の中や教育であってほしいんだけど、無理だな。ってふうにも思うわけです。

でも、「そうじゃない」って言える大人、言ってる大人はいっぱいいて、10代でも8歳でも手を伸ばしている子は伸ばしているので、お金のこと、技術のこと、否定から入らずに「そっかー」「そうなってんだー」って受け止めて成長してほしい。

知らんけど。

あと、方法も方法論もGoogleタッターン!てしたら夜店の金魚くらいうじゃうじゃ出てくるでしょ。方法は1つじゃないので、生きやすい方法で生きていったらいいのだと思う。

人との付き合い方。
お金のかせぎ方。
ストレス発散方法。

自分がやりやすい方法が見つからないってほど世界なまぬるくないしあなたはオリジナリティあふれるレア人材じゃないのでまずはさがしてみて。そんで、いや、むしろ「やっぱりこの悩みは私だけだった」って分かればそれは。このご時世ラッキーなことですよ。だってまだ誰も発信してない内容なんだから。鉱脈ぶち当たってるのかもしれんじゃん。情報がないからってそれで悩んでる人がいないってわけじゃないからな。「ぼっち……」でなくて「ラッキー!」て思って、パイオニアでもなんにでもなってみればいいのでは。

違和感や疑問を大事にすること。
なんでも疑ってみること。
そして取り掛かること。
工夫すること。
続けること。
変化を恐れないこと。
変わらないほうがリスクだと知ること。

とりあえずこれくらいです。

あ、あと、他人はあなたの人生に責任負ってくれないってこと。せいぜい同情してくれるだけだってこと。いや、同情しかできないってこと。あなたを慕う人も、愛する人も、本心から「変われるものなら変わりたい」と思ってくれても、それはできないってこと。じゃあ自分を信じるしかないってこと。

若い人には、たくましく生きて欲しい。

頼むから私を失望させないでくれ。

……今のセリフ言ってみたかっただけ。すまなかった。

いやー、でもほんと、警戒心強いところがあるから、私の世代でも、いくつになっても、チャンスがあるっちゃあるんですかね。もし次世代が速攻で新しい文化や価値観になじんでいって新しいものポンポン生み出してくれちゃったら「ちょ、ま」ってなって早めに隠居したいような気持ちになるかも。だけど古臭い思考、上の世代の思想そのまま引き継いだような次世代がいてくれるおかげで、ちょっと出遅れた場合でも挽回できるんすかね。

うん、チャンスは平等にあるはずだ。時代は変わってくんだから。老若男女関係なく。更新し続けることができるか、感性を信じながら疑い続けることができるかどうかで。みんなたくましく生きて世の中おもしろくなればいいし、今いる場所がつまんなかったりつらくても世界つまんねと思わないでほしい。

優しい人みんな生きて幸せになってほしい。

最後いつもこれだな。ここに行き着くんだな。優しい人は傷つきやすいから。落ち込んだり傷つくことの多いひとは「私ってだめだ……(しゅん)」ってならないでほしい。傷つく才能だと思ってほしい。そして生きて、同じような人をたすけてほしい。助けを求める人は動けないことが多いので、あなたが動き出す必要がある。そのためには傷つきやすさを欠点だと捉えていてはだめで、才能だと思うしかない。っていうか、実際それは才能では。今いる環境とか人間関係つらくてもたまたまマッチしなかっただけで「動き出せ」って合図かもしれない。あなたが生まれたことには絶対意味がある。信じられないかもしれんけど。おまえはなんの根拠があって絶対なんて言葉使うんだよって言われたらあれだけど。意味は「ある」ものじゃなくて「つくる」もの。せいぜい100年で人は死ぬんだから自分でいちいち死ななくて良い。

まあ100年後には不老不死の薬とか発明されてっかもしんねーけどな。需要があるかは知らんが。

2+

No.510

気泡だと思った
次に魂かなと思った
空を目指すものはダレ?
僕を余裕で追い越して

ひとりひとりの顔
ひとつひとつの表情
揃いも揃って模様になって
解像度を上げる気力もない

だけどなんとか踏ん張って
覗いてみると酷いカオ
僕は何か悪いことをした?
あなたやあなたの人生に?

謎の宇宙へまっさかさま
東京駅を天井にして
アリスと誰かに呼ばれたけれど
その名前にはもう反応しないや

みんな悲壮な面持ちだね
ゆっくり撫でてやる時間だってある
ああ、逆さまなのは僕だった
考える彗星が往来を一時停止させる

今宵限りのカーニバル
とりどりの風船は張り裂けそう
笑顔を許されたピエロが順に割っていく
破片がハラハラハラと降り積もる

もう誰も泣かないで
僕はここで歌っている
宇宙と駅のはざまで逆さまで
きみが落ちてきたら受け止めてあげられるよう

2+

No.509

そんな顔しないで
どうせ明日には忘れられるんだから
ぼくはきみを慰めたい
だけど弱みに漬け込んでもみたい

記憶の断片がいま頭を埋め尽くしてる
トゲトゲしたものもあってチクチク痛くて
容量を減らしたいのに簡単に捨てられなくて
責任逃れで自分殺しは平気に行う、怠惰。

きみにとって良い人でありたかった
救世主でもなく害悪でも隣人でもなく
思い切ってどれかになれたら良かったな
嫌われたくない、そればかり優先した

きみは、強いよ。
ぼくはどんなことされても嫌いにならない
きみがこぼしたわがままに不平を言わない
そうすることで無難な世界を助長してても

守りたいものは守りたいと口にする
健全に長続きする秘訣だろう?
ぼくはむずかしいほうばかり選んで
いつか誰かに褒められたくて

荷物を捨てて逃げても良いよ
そう言いながら知っていた
きみは逃げない、逃げられない。
知り尽くした手の内を一個一個明かしても

つめたい朝と生ぬるい夜
血で洗い流した空がまた白くなって
悪びれない生き物を大量に産み落とす
どうりできみは美しく、ぼくは明日も生きづらいのだ

2+

【小説】リスタート

ごつごつした木の根がのびてきて、ぼくとぼくの大切なものをばらばらに取り込もうとする。だめである理由を正確に伝えないとここから逃げられないのに、まちがうことが怖くて伝えられなくて、貴重な時間はどんどん過ぎてく。

ゲーム・オーバー。

救いのない現実を、どこか美しいものであるように、とらえようとした、ぼくたちへの罰だ。きっとどんな意思も介在していないんだけど。

服を脱いだマネキンの森を、きみとぼくとは疾走してきた。疲れも感じず。ふたりだからどこまでも行けるんだと思った。大量生産されたマネキンの中に、よく知った顔を見かけた気がした。だけどすぐに流れ去った。森を抜けた。

辿り着いた先には何もなかった。途中で思い出を落としてしまったんだ。戻ろうか、いや、過去は危険だ。ここにいたらいいよ。ここがいちばん安全だよ。そう言い聞かせながら、ぼくを寝かしつけたあと、きみはひとりマネキンの群れに帰る。明日のぼくが駆け抜けるための森を大きくするために。やがてぼくもとらわれてしまうんだろうか。いや、そんな日は来ないように思う。確信はないけれど。もし最初から取り込まれることが決まっていれば、こんなにひどい気分で目覚める朝をいくつも用意しないはずだから。

おはよう。

自分が誰かを確認するためだけに発声する。雨の降らない荒野で喉は掠れている。ああ、ほら、まただ。また、この、スタート地点。投げ出された自分の手の先を見る。きみが、いる。まだ眠りの中。あっちを向いていた顔がこっちへ向けられる。予感はあった。

まるで、鏡を見ているようだ。

「おはよ、ぼく」。今度は、きみを起こすために発声する。今日こそきみを連れ出してやる。これが何百回、何千回目でも、ぼくは決意して起き上がる。

3+

No.508

ありがとう
やさしくしてくれて
得体の知れないものに
夜にしか伝えられないけど

みんな寝静まってひっそり
きみの体はおもちゃ箱の中
有象無象のモチーフと共に
出せなかった手紙の束が枕

冷蔵庫のゼリーみたいに
形が定まっていく
最初は液体だったのに
言葉がわかるために

なんだって両面があるんだ
例外なくそうなんだ
でも人は一つしか捉えられず
どうでもいいことで反発し合う

もともとが違って
別個に存在した
だけど余地はあった
あの人の慈悲はあった

いずれ死ぬのに
みんな死ぬのに
仮初めに寝てみたり
生きることは辛いと比較したり

おもちゃ箱の中で見る夢が
束の間の休息になりますように
きみが目覚めた世界にはぼくがいる
きみを幸せにできないぼくがいるから

2+

【雑記】終わらない問い

本当に、そうだろうか?

その言葉を呪文のように唱えて欲しい。新しい考えに触れたときだけでなく、私たちの周りにある当たり前に。それは本当に「当たり前」なのだろうか?子どもは思いがけないことを質問して大人をうろたえさせる。うろたえた挙句、空想めいた理想論や、「もう少しおとなになったら分かるよ」なんてはぐらかす。

たとえば、「好きなことで生きていけるほど人生甘くない」という言葉だ。本当にそうだろうか?ほんとに?

私は、逆の時代がどんどん来ているように思う。逆って、つまり、「好きでもないことで生きていけるほど、人生って甘いものなんだろうか?」。いいや、違うように思う。中途半端にしか生きていけない。

私はいろいろなことに興味を持って首を突っ込んで、ちょっとかじってはやめてを繰り返す、ようは飽き性の毛があるから、余計に、思うんだが、打算も、計画性も、そもそも好きでやっている人には敵わないんだ。

人間にとって一番耐えがたいことは、無意味なことではないだろうか。何をしていても、この気配に襲われたら、気を病んでしまうんじゃないだろうか。その予感は、人を鬱にしたり、精神の病気にしたりする。そしてその確信は死に至らしめる。

逆に、意味のあることならある程度生きられる。だから、意味の有無論、自問自答、これのやりすぎはリスキーで、あまり考え過ぎないのが健やかの秘訣。

だが、無意味論に太刀打ちできるものがあって、それが、最終的には「でもやっぱりこれが好き」という気持ちである気がする。そう思えるかどうかで、危機を、乗り越えられるように思う。

これがうまく作用しなかったり、他からの作用で捻じ曲げられてしまった時に、周囲を傷つけたり、事件が起きてしまうんだと思う。

なので、好きという気持ちは隠し持っておくほうが安全のように考えられる。

だけどほんとうは、好きという気持ちは表に出してこそあなたを幸せにしてくれるもので、少なくともそういう可能性を高めてくれるもので、同じようにそれを好きな人とつながることがあったり、運が良ければお金になったりする。誰かを元気付けたり、それこそ救ったりする。

人間が打ち負かされる時、無力感や無意味感がある。太刀打ちできるのは、好きという気持ちだけ。

きれいごとに聞こえるな。
でもたぶん合ってるよ。一理あると思うよ。

結論:って私が言ったら「本当に?」って思うんだよ。ほら、そういうとこ。

3+

No.507

ぼくにある幼さが
漬け込めとそそのかす
あなたの遠い人
ぼくによく似ているそうだ

神さまって適当で
意に介さないことが多いんだ
そう考えておくと平気だろう
今だって正気でいられるだろう

ただ移動したかったんだ
悪い夢みたいな現実から
だけどあなたは連れ出したんだ
さも善行を施すように

目を覚まして
所詮ひとりの人間でしかない
あなたはぼくを救済したつもり
違う、ぼくが自惚れさせたんだ

どこかへ行きたかった
そんな目で見られたくなかった
自由になるよりもっと
確実に終わりたかった

今ならなんとでも言える
予定が狂って空になった棺
真っ白い花を詰めた帰り道
今日もぼくたちはすれ違う

1+

No.506

何年経っても歳を取らない
ようやく認める気になったよ
あなたは人間ではなかった
どうりで神聖な気持ちになったわけだ

ねえ、見ることができましたか?
聴くことや愛すること、
忘れて思い出すほどに?
あなたにとっては一駅分の退屈凌ぎでも

許してね
ぼくは何も残さなかった
だけど世界は終わらなかったよ
ぼくが少しだけ変えといたんだ

ひとりひとりが変えていたんだ
毎分毎秒、到底確認できないくらい

許したよ、
ちゃんと見てた、
気づいてたろう、
あこがれてたくせに。

夕暮れとともに消えてく何か
頬が橙を照り返している
もしさいごに願いが叶うのならば
あなたのかなしい歌が聴きたい

2+

No.505

きみの死にたいが
たすけてにきこえた夜
そんな、夜、真っ暗を走る
誰かの影を踏みつけて

いちばんだよ
いちばん大切なものを
いちばん大切に扱うことが
いちばんすこやかなことだよ

とんでもない冗談だ、
そう思った
これがぼくのものになるわけない、
さいしょ、そう思った

電車がぼくを追い越して
ぼくを三日月は追い越して
三日月が舟に姿を変えて
きみを遠く連れ出そうとする

待って
待つもんか。
行かないで
行く宛てなんかない。

息切れが金属音にまぎれる
もっと手荒くして欲しいのに
誰にも話せない秘密の記憶が
完膚なきまでに踏みにじられて

季節を無視して花が咲く
死臭を隠すように
指先から透き通ってく
二度と来ない午前二時

もうすぐ郵便受けの底が鳴る
同意のないタイムリミット
新しく生まれたくない
伝えられなかったきみを忘れてまで

3+
Scroll to top