No.510

気泡だと思った
次に魂かなと思った
空を目指すものはダレ?
僕を余裕で追い越して

ひとりひとりの顔
ひとつひとつの表情
揃いも揃って模様になって
解像度を上げる気力もない

だけどなんとか踏ん張って
覗いてみると酷いカオ
僕は何か悪いことをした?
あなたやあなたの人生に?

謎の宇宙へまっさかさま
東京駅を天井にして
アリスと誰かに呼ばれたけれど
その名前にはもう反応しないや

みんな悲壮な面持ちだね
ゆっくり撫でてやる時間だってある
ああ、逆さまなのは僕だった
考える彗星が往来を一時停止させる

今宵限りのカーニバル
とりどりの風船は張り裂けそう
笑顔を許されたピエロが順に割っていく
破片がハラハラハラと降り積もる

もう誰も泣かないで
僕はここで歌っている
宇宙と駅のはざまで逆さまで
きみが落ちてきたら受け止めてあげられるよう