No.506

何年経っても歳を取らない
ようやく認める気になったよ
あなたは人間ではなかった
どうりで神聖な気持ちになったわけだ

ねえ、見ることができましたか?
聴くことや愛すること、
忘れて思い出すほどに?
あなたにとっては一駅分の退屈凌ぎでも

許してね
ぼくは何も残さなかった
だけど世界は終わらなかったよ
ぼくが少しだけ変えといたんだ

ひとりひとりが変えていたんだ
毎分毎秒、到底確認できないくらい

許したよ、
ちゃんと見てた、
気づいてたろう、
あこがれてたくせに。

夕暮れとともに消えてく何か
頬が橙を照り返している
もしさいごに願いが叶うのならば
あなたのかなしい歌が聴きたい