No.507

ぼくにある幼さが
漬け込めとそそのかす
あなたの遠い人
ぼくによく似ているそうだ

神さまって適当で
意に介さないことが多いんだ
そう考えておくと平気だろう
今だって正気でいられるだろう

ただ移動したかったんだ
悪い夢みたいな現実から
だけどあなたは連れ出したんだ
さも善行を施すように

目を覚まして
所詮ひとりの人間でしかない
あなたはぼくを救済したつもり
違う、ぼくが自惚れさせたんだ

どこかへ行きたかった
そんな目で見られたくなかった
自由になるよりもっと
確実に終わりたかった

今ならなんとでも言える
予定が狂って空になった棺
真っ白い花を詰めた帰り道
今日もぼくたちはすれ違う