追いつけないまま
永遠の夏が終わる
憧れは理解から遠く
あんなもの要らないと言った
青空を映す帰り道
当たり前が何か知らない
未来はいつまでも続いて
希望は途絶えることはなかった
いま星のひとつが目に映る
どうして落ちてしまったんだろう
生まれて息をしてしまい
初めて終わりを知るんだろう
たくさんの涙とたくさんの血が
ぼくたちに儚さを伝える
星なんかもう見えない
オーロラ、とささやいたきみの声が悲しくて
追いつけないまま
永遠の夏が終わる
憧れは理解から遠く
あんなもの要らないと言った
青空を映す帰り道
当たり前が何か知らない
未来はいつまでも続いて
希望は途絶えることはなかった
いま星のひとつが目に映る
どうして落ちてしまったんだろう
生まれて息をしてしまい
初めて終わりを知るんだろう
たくさんの涙とたくさんの血が
ぼくたちに儚さを伝える
星なんかもう見えない
オーロラ、とささやいたきみの声が悲しくて
雨が首を絞めに来る
約束したでしょうと伝える
十四の夏休み
新聞紙の雑な切り抜き
青と黄色を正確に知りたく訊ねた
僕は、とスカートの裾をつまんだ
私は、とネクタイの端を引いた
簡単だと知らなかっただけなんだ
終わりも始まりもこんなに簡単だなんて
言い訳を聞いてくれる人はいない、いなかった
あらゆるところに雨が降る
隙間を埋め尽くすように世界を溺れさせに来る
渡すため取り出した心臓を
これ要らないと突き返された
戻らないのにもう戻せないのに
どうしてぼくは取り出してしまったんだろう
どうしてぼくは後先を考えなかったんだろう
それから体がからっぽになったみたいで
手足を動かしても重力を感じられなくて
死んでしまって境目を彷徨っているような
誰も助けてくれないし助けてあげられない気がした
レモンミンツを床にぶちまけてしまって
ぼくだってもうどうでもいいやと思ったんだ
受け取ってもらえなかった心臓のこと
すきま風にさらされる生乾きの輪郭や
救いだのヒーローだの考えるいつも夢見がちな脳
似ていて違う夏が来る
ぼくは生まれ変わらないまま歩き出せる
二度と戻らないことも帰ってくることもできる
羽ばたけないぼくはとりあえず靴ひもを結ぼう
散らばった色あせないレモンミンツを歩こう
きみがみくびるのでぼくはきみを笑顔にしようと思う。雨が降っても楽しいことなんだと、子どものころに言ったでしょう。新しい靴が汚れるのも構わず、虹の映る水たまりを飛び越えたでしょう。きみがきみを信じているかどうかなんてぼくにはまるで関係がなかった。ぼくはきみを笑顔にしようと思う。きみに笑っていてほしいのはぼくだから、ぼくはぼくの願いを叶えることに躊躇がないんだ。
夢を見たんだ、
ああ、ぼくはまた夢の話をしてる
きみは退屈でないかな
自分の夢の話ばかりのぼくといて
理由になろう
そう言ったあなたが孤独だった
理由になってあげよう
水槽の中に居たかもしれない赤い魚のために
物語には柵がない
柵がないように見せているだけ
ただそこにあるものがあると信じたいから
そんなものはどこにもないと諦めたくないから
みんな無理をしていて
敏感に察知する人に請け負わせてる
絶望とか失望を請け負わせてる
最後には利口な子どもが旅立っていく
きみの夢の話が好きだよ
善意も悪意も脈絡も無いもの
きみの脳味噌がつくりだした寄せ集めが好き
氷が溶けて音を立てる
ぼくは普通になれません
普通の人なんてどこにもいないと
知った顔で言うおとなを信用しません
だから子どもなんだよ
今年もまた記憶の景色で花開いた
花開くまで気づかなかった
同じ場所から進んでなかったね
赤くちいさな魚はとっくに水槽を出てったね
ずっとひとりでいたい
夕暮れに向かって歩く親子を見て思う
行間もぼくを慰めなくなったとき
じぶんが死ぬ理由を考える
そんなものはなかった
考えて出てくるようではまだ足りない
きっかけを探している
生きるきっかけを
誰かに向けられた光に
ぼくが向かって歩いたとこで
歓迎はされないし偶然は起こらない
終わりと始まりをつなぐ時間まだ眠れない
愛している
きみはどうか?
ささやかれる時いつも疑問だった
どうして少し得意げなんだろう
理解できることが嬉しいのか
到達できたことに安らいだのか
きみにそれがないだろう
きみにはずっとそれが分からないだろう
欠けているんだよ
そう教えられているみたいだった
優しさに嫌気がさした
ぼくもあの親子みたいに誰かと歩きたい
独白にオチが必要ですか
乾いた指で新しいページをめくる
汚れで読めない部分があって
前にも一度読んだ物語だといま気づく
あなたが惰性でこの世を生きることが
分かってぼくを優しく見せる
いま思いを吐き出したら
ぼくは敗者のまま勝ち抜けることができる
悟られずに秘めておくこと
美しいと考えた日々もあった
だけど今はもしあの時間を
伝えることに使えばと思い起こす
少年少女と呼ばれてみんなが有頂天だった
心臓は絹のリボンで結んであって
気づかぬ間に血がたくさん流れた
泣いてる大人はそれは醜かった
醜いものになりたくなかった
だけど例外でいられなかった
リボンで血を流す心臓を前に
ぼくはぬるい涙を流す、持ち主も知らない心を前に
Deleteで消せる記憶のなか
きみから僕へ向けられた想いを見つける
今になって気づいたんだ
暗号の鍵は時間でしか無かった
唯一無二になりたかったな
求められた以上を捧げたかったな
空が青いことを恨みたくなかったな
勝ち負けで考えたくなかったな
願えば願うほど美化されて劣化する
僕が好きなきみを変えてしまう
幸せを願いたいわがままも
忠実になれなかった願いにも
同じ行間をたどっている
ページをめくれないままコーヒーは冷める
見知らぬ人の笑顔が僕を嘲笑って見える
向けられた誰かをたしかに幸せにするものなのに
空から月が手を伸ばして
カーテンの隙間から光をこの目に嵌めもうとする
明るい場所をきみは歩けないでしょうと言って
明るいものをきみは知りたいでしょうと言って
僕はいつも不満だった
誰かが羨ましくて自分を逃げたかった
消せるものを消したくて今から逃げたかった
死にたいわけではなく生きたくなかった
命の重さや生き様に気品や優劣はないでしょう
誰もが本音を隠して時に違うことを言い
僕はとても生きづらくそして死にづらくあった
光はたくさんだと月の拷問に目を閉ざす
夢の中にも夢が無くなったとき
誰もが現実を生きるしかない
人は希望を求めるが僕は失墜を見せる
あるかないかの光を届ける、拍手できないあなたに。
どんどん違うほうへ行ってしまう
つよい祈りも忘れてしまう
ねえ、あたしどんなことを我慢しなかった?
大人になったきみにはわかんないか、
白いテディベアにうさぎの耳をかぶせた
悟られずに
気取られずに
生きていきなさい・生きていきなさい。
ねえ、でも、なぜなの?
問いを封じ込めたからぜんぶを
あたし忘れちゃったんじゃないの?
表情の無い顔を隠すためフードを引っ張る
幸せだったのにね
認めたくなかったんだ
覚えていたらいま会いに行くのに
会いたい時には帰り道を忘れちゃってる