No.827

空から月が手を伸ばして
カーテンの隙間から光をこの目に嵌めもうとする
明るい場所をきみは歩けないでしょうと言って
明るいものをきみは知りたいでしょうと言って

僕はいつも不満だった
誰かが羨ましくて自分を逃げたかった
消せるものを消したくて今から逃げたかった
死にたいわけではなく生きたくなかった

命の重さや生き様に気品や優劣はないでしょう
誰もが本音を隠して時に違うことを言い
僕はとても生きづらくそして死にづらくあった
光はたくさんだと月の拷問に目を閉ざす

夢の中にも夢が無くなったとき
誰もが現実を生きるしかない
人は希望を求めるが僕は失墜を見せる
あるかないかの光を届ける、拍手できないあなたに。