No.829

あなたが惰性でこの世を生きることが
分かってぼくを優しく見せる
いま思いを吐き出したら
ぼくは敗者のまま勝ち抜けることができる

悟られずに秘めておくこと
美しいと考えた日々もあった
だけど今はもしあの時間を
伝えることに使えばと思い起こす

少年少女と呼ばれてみんなが有頂天だった
心臓は絹のリボンで結んであって
気づかぬ間に血がたくさん流れた
泣いてる大人はそれは醜かった

醜いものになりたくなかった
だけど例外でいられなかった
リボンで血を流す心臓を前に
ぼくはぬるい涙を流す、持ち主も知らない心を前に