【雑記】もしかして

長くやってるからできる系で、自分が15年前に書いた作品の「15年後」を書けば面白いんじゃないか?ふむ、自給自作の骨頂に達するというわけだ。

15とか、10とか、それ書いた年によるけど。

えーやだなーおもいついちゃったなーおもしろいなー。(自己満)

がーっと書き殴ってバン!て終わらせる感じの書き方だったから、ひろって埃払ってなでなでしてあげたい。

と見せかけてバン!てするのもあり。同じ人間なので変わらないとこは変わらない。うむ、これはやってみないとわからん。

2+

No.689

つい昨日だったことがもう百年前になったんだ。恋は事故で愛は覚悟だ。あほか。おまえと会わなけりゃ乗るはずもなかったオープンカーの助手席でそっぽを向いた。新しい港と街が見えるライン。ほんとうに相性いいの?相性、ばかげてる。万一そんなものがあったとしても、いいわけがあるか。後部座席からミモザが舞い上がった。初めての味は美味しくないけど不味くもない。煙草なんか吸っていいのかなあ、優等生が。口では言うけど取り上げはしない。茶化してくる横顔に向かって煙を吹きかけたつもりで噎せた。ぼくの好きな横顔がぼくをからかって笑うのでダッシュボードで火を消してやった。未成年を拉致していいんですかね、公僕が。口にして初めて圧倒的な解放が吹き付けてくる。初夏の海へ向かうんだ。通知表も、おつかいも、宿題も、ごみ出しも、留守番もそのまま置いてって。未来へは丁重に断りを入れて。風に吹かれて、青を捕まえに行く、記録しない記憶、社会のルールを守らない共犯者と、糾弾されても構わない秘密をつくりに行く。

2+

No.688

星をつかまえるんだ
永遠になんて頼らずに
終わりが来ると知るんだ
あの日にちゃんと始まったんだから

願っただろう
祈っただろう
差し出すことさえした
それがなけりゃ鼓動もないのに

きみの針は振り切れがちだ
ぼくの抑制にも敗北せずに
マナーを知りながら崩して座る
ああ、靴底の暗号がよく見えるよ

背中合わせに呼吸を合わせ
切れ目のない罵声の応酬
誰にも険悪の真相を見抜けないさ
ミルクに蜂蜜を混ぜるくらい簡単なこと

すり替わっても気づかない
撫でたのち大胆に触れても
気付いたときの彼らに共通した表情
盗まれたときに持っていたことを知るんだ

4+

No.687

気づかないふりをしてきた
前のめりの体をつなぎとめたもの
あと一歩を踏み出したら続かなかった
衝動をやり過ごさせたもの

今には今の風が吹く
咲かなかった花で冠を編もう
誰もきみにささげなったもの
きみが誰からも欲しがらなかったもの

時々とてももどかしい
時々とても幸せになる
誰もきみに懐かないでいて
きみが誰にも懐かないでいてくれること

お互いにわかっていたね
ぼくらまちがってる
口に出して確かめる必要もないくらい
ぼくら鮮やかにまちがえてきた

つないだ手が血で濡れていた
きみは無言で語りかける
貝殻をのぞいてた頃と同じ目で
諾否はぼくに委ねられた、

夜に立ち向かうサーチライト
すべてを照らせていると思っている
だからあんなに屈託無く明るいんだ
ぼくらは越えずにくぐることを選んだ

3+

【雑記】きっかけはなんでもいい

リアルな話をしましょう。やりたいことを「やりたい」と言ってる暇があるうちは本当にやりたいわけじゃないってこと話を。えっ、気づいたらやってた。みたいのが理想です。そう、これは理想の話。

人がいいわけするときに使うものって3つあるそうです。時間、お金、経験(知識)。この3つ。昨年わたしちょいと荒稼ぎしまして(自分比)、この3つがみごとにそろった状態になったわけですね。で、それまでは時間、お金、経験をいいわけにしていたのですが、それが使えなくなった。

こうなったら普通はやりたかったことやるはずですよね。でもやらなかった。そこで気づいた。あ、いいわけしてただけだ。と。いいわけの「せい」にしてたけど、いいわけの「おかげ」で目を背けていられたんだなあって。

何が言いたいかと言うと、やりたいことに時間、お金、経験は関係ないということです。あったらあったでいいでしょうが、べつになくてもいいです。

とくに「やりたいこと」に関して、いいわけは成立しないということ。時間はつくるもの。お金はつくるもの。経験はそもそも不要だな。みんなさいしょははじめてだし!

てなると、たった今から何始めてもいいので、やりたいことがあったらやってしまうべきだ。そこでいいわけを始めたら、もしその障害がすべて解消されたときにも着手しないんだと思う。

「やらないことが悪い」って言いたいのではなく、「やりたいやりたい」と思ってることって案外やりたいことじゃないかもな?って気づいてみるのもいいのではないか令和。

4+

No.686

えー、だって冷食は手料理でしょう。屈託のない笑顔で言いながら解凍前の唐揚げを弁当箱に詰めていく。反論を待っているのか、心底そう思っているのか。どうやら後者だったようだ。話題は次へ。自転車のサドルが。すずめが。きのうの飛行機雲が。スーパーで。新しい家が。あ、空をみて。そう言われて顔を上げるが何もない。くまなく目を凝らすがやっぱり何もない。目を細くして睨むとやっぱり笑っている。「聞いてないかと思った」。うん、そうだ、ぼくも聞き流してるつもりだった。「これってさ、愛だね」。愛とかそんな簡単に言うなよ。「かんたんでしょ」。そういえばおまえは出かけることをピクニックするという。それがぼくと出かける時だけの言葉だと知ったとき、いとしい気持ちと申し訳ない気持ちが同じくらいの大きさになって、言葉にならなくて、涙ばかりこぼれたんだった。いつも笑ってるおまえはその時だけはいつもと違う顔で「わるくない、わるくない」と教えてくれたんだった。そういえばぼくも、きのう。空を見たまま話し出す。はなうたが相槌に変わる。なるほど、たまには立場逆転も悪くない。

3+

No.685

夜が終わらない限りそばにいるよ。そんな約束をしたせいで、太陽の芽を摘まないといけなくなった。熱いと言うほどではなく、ほんのりとあたたかい。寝坊した朝のゆで卵のような、忘れられそうな、ぬくもりを抱えている。もしそれを摘まずに残しておいたら、ぼくに新しい道を示してくれるものかもしれない。もしも怯えずに生かしておいたら、やがてぼくを溶かして別の生き物に変えてくれるものかもしれない。だけど約束したからね。したからには果たすのだからね。ぼくはもう子どもじゃない証拠に、夜が明けても離れられない理由を、定義もなければルールもない、くしゃくしゃの愛のせいにすることを覚えた。

3+

No.684

人を救えなくても、世界を変えられなくても、おいしいものを食べたい。だれかが困っていても、ひとが飛び降りていても、ほかほかの焼きたてパンを食べたい。入り江からどんどん遠ざかっていく背中を横目に、加速するアクセル音をききながら、フルーツジュレにスプーンを突き立てたい。金属バットの鈍い音、絆創膏もないのに新しい傷をつくるひと。心はずっと透明なままで、ぼくは、泣きもせず微笑みもせず、ただ、おいしいものを食べたい。きみがぼくを見捨てようとして、でもうまくいかなくて、せめて嫌いになろうとして、どうしても好きなまんまで、同情されながら、自己嫌悪にさえ陥りながら、ぼくを奪えず失恋をする。いいね、興奮する。だけど咀嚼音は拍手ではない。きみがひとりで眠る夜、ぼくだけが知るこのきもちが恋や愛じゃないわけじゃないんだ。

3+

【雑記】よかった

書き続けてきたことを喜んでもらえるほど嬉しいことはないよ。なぜなら書き続けることしかしてこなかったから。いろんなものに「ごめんなさい」と「ありがとう」を言葉にせずに伝えたいような気持ちで眠りにつくこととします。やめなくてよかった。やめようと思うこともそんなにない私であるが、だからこそなかなか「どうだろうか?」と訊ねるような機会もない。自分が一方的に垂れ流しているようで、ほんとうは違うんじゃないかとか、そんなことも分かってないじゃないかとか、自分が書き続けることがもしかしたら自分をすきでいてくれたひとを幻滅させてしまうこともあるのでは?と。だって、生きてるから変わるから。嫌いにさせたらごめんなさいと、いや、待てよ、いやいや、でもやっぱり自分を優先させてたわ。書きたいように書いてきたわ。嫌いにさせたらごめんなさいは嘘だ、今のなし。でも、こういう思考の足跡があったこと隠さないと決めたので削除しないぞ。見ろ、投稿したぞ。

5+