どんなにお金を稼いでも
美しいと信じるものに使いたい
それにお金を集める力がないのなら
だけどそれはそんなに要らないよと言う
僕は悔しくなってもっと稼ぐ
無理をしていると思われたと思ったから
だから僕はそんな心配をかけないよう
もっと頭をよくしてもっとたくさんを稼ぐ
それは僕にお金より大切なことについて話す
僕は笑いながら聞いているが
そのうちそれを殺してしまう
なんでわかってくれない
おまえなんか僕がいないといないのに
僕が消してしまったのでそれはもういない
同じ日の夜に僕もいなくなった
そして僕はもう一度蘇った
何かをし忘れた気がして
それが何かはまだ思い出せない
なんとか今までのことは思い出したんだけど
それと呼んでいるもののことは思い出せない
それに見られていると僕は緊張していた
ずっと前はそれに育てられた気もする
どうして僕はそれから離れてしまったんだろう
本を読んだせいだ
たくさんの話を知ってしまったせいだ
僕はそれと僕のいた頃に戻りたい
戻ってもう二度と何も知らなくていい
それは僕に優しかった
それは僕にとってすべてだった
そんなあり方は危険だよと教えてくれた
そしてそのとおりになった
僕は道を歩いている
閉ざされた家の扉の前を
蔦が這った城壁のまわりを
死んだものと生まれてくるもの
いつか数が釣り合う日は来るんだろうか
僕はそれを思い出せない
僕はそれを思い出したい
歩き疲れて倒れ込んだ石に
それの名前が彫られている