正体を消せば
風の音がよく聞こえる
正体を知られれば
視線はもうかわせない
真夏日に見下ろすアスファルト
壊れた傘が捨てられている
跨いで地面に伸びる影が
ぼくのより少しだけ薄いんだね
きみがだれでも
ぼくがだれでも
変わらない世界の
それを優しさだと仮定する
緑色に爛れる脳味噌
紫陽花のなれのはて
消えかかる首輪の跡
どこへ行かないでも許されるということ。
正体を消せば
風の音がよく聞こえる
正体を知られれば
視線はもうかわせない
真夏日に見下ろすアスファルト
壊れた傘が捨てられている
跨いで地面に伸びる影が
ぼくのより少しだけ薄いんだね
きみがだれでも
ぼくがだれでも
変わらない世界の
それを優しさだと仮定する
緑色に爛れる脳味噌
紫陽花のなれのはて
消えかかる首輪の跡
どこへ行かないでも許されるということ。