手足が動かせなくなる
声が出なくなり
明日が減っていく
希望が去っていく
ありあまることの贅沢
過剰であるという才能
高架下にひろがる楽園
口の中に血の味がしたって
ぼくはきみの守りたいものを尊重する
ぼくに対してもそうしろなんて言わない
ただ尊重する
だって簡単に奪ってしまえるものだから
そんなもの、
砂でつくったお城のようだよ
暖炉の前の雪だるま
紅茶に落とされる角砂糖
と、並列
痛いことは怖くない
皮膚が裂けること
治癒に時間のかかることや
どれかの臓器が損傷することも
ぼくには能力があるからだ
きみが一生手に入れられないもの
ぶっちゃけそれがあるせいで
たまには不快感もあるけれど
減っていく明日
訪れない未来
死に向かう肉体
衰える精神
(なあ、きみはこんなことをしている場合なのか?本当に?)