no.278

もしもが起きた時に
ぼくとわからなくても
そんな顔をしなくていい
初めてのように接していい

どこまで行っても途切れることがない
いばらの垣根は幻想を膨脹させる
垣間見える断片を繋ぎ合わせて
どんな夢だって何度だって見た

ガラスペンの先で描かれる創作
ぼくときみはこのまま出会わないだけでなく
終わりのないまま取りこぼされる
なくしたスケッチブックはちゃんと棚の中

何にでもレモンを添えたがる
きみの感性には共感できないけれど
好きなことを貫くきみが好きだよ
それを悪く思う人たちの陰口まで好きだよ

強く認識しているという点では
変わりがないからだ
きみのことを強く認識するものは鮮やかで
おぼろなぼくの世界を賑やかにしてくれる