no.277

崖の上から海を見下ろしている
それは何かの口に見える
消化器官では生き物が生まれる

ここでは消えるものが少なくて
明日の今頃には飽和している
どんな進化を遂げるだろう

共喰いの繰り返されるビーカー

研究結果を活用できなくても君は美しい
残酷なまでに何の記憶もなくて
海岸線をなぞると世界の仕組みがわかる

そこでは連帯が信じられている
そこでは純潔は恥ずべきことだ
そこでは他人の血を舐めることができる
そこでは目を合わせないのが原則だ

懐かしいルール
いびつな規則
どれこれも大切に積み上げられた
僕や私のきまりごと

メーデー、また夜が明けた
変哲のない掟
メーデー、朝陽に異常はない
拘束されないという不自由