no.272

傷ついたかも知れない
数えたら同じだけの針を飲む
どこかに刺さって
機能停止してしまいそうでも

誰も気づいてくれないから
どうするわけにもいかなかった
約束をどうしたかも覚えていない
だからこれは自分だけのゲーム

あなたの涙はほんとうは
僕のために流されるべきではない
それはもっと優しい
誰かの犠牲となった者のために

太陽も月も照らしてはいけないんだ
知らない子が裸で死んでいても
誰も見ていないなら素通りできてしまう
僕ってそういうやつなんだ

憐れむふりならできないことはない
それを回避するためにどうしたらいいか
ありったけの知恵を絞って策を出すことも
だけど回答として求められた時だけ

僕はここにいてはいけないのかもね
胡乱なひとりごとに返信はこない
そのことがかろうじて僕をここにとどめる
もしかしたらって期待とかしてんだ

例外はない
早朝に見る昔の映像
冷蔵庫に隠した水晶体
耳の奥で鳴ってる届かない足音

暗い道で振り返る時に
雑踏の中でふと呼ばれた気がした時に
あなただって悪かったんじゃないか
僕は何度も逃げ損ねてそう言い訳をしている