剥がすよりも生むほうが痛い
大勢の喜びを伴うことのほうが
そこには未来の悪意が
含まれているかもしれず
潔癖なままでは難しい
取っておいた甘い蜜や
枯れてしまった草花や
人から放たれた言葉を遡っても
鑑定士のように吟味して
ガードマンのように用心して
そうやって何人もの自分を
ひそかに作り上げて安心したいけど
捨てようとした性質だけ残ってる
昼も夜も気にかけているせいだ
だからそれに惑わされない誰かが
羨ましくてずるく見えてやつあたりした
夏が終わるころいつも誓うのに
背中を追いかけることはしない
何度も言い聞かせるのに
一瞬も永遠も間違うくらいよく似ているよ