ねがいごとが消えていくのを待っていた
同じ一日はこないといいきかせて待っていた
あかねびのかかる欄干の上に
新しい血をさらにしとどに垂らし渡っていた
思春期みたいにかたい胸でやわな思考で
見慣れた顔に似た赤の他人とすれ違いながら
馴染んだ何かを早く壊したくて仕方がなかった
それはきっとありがとうって言うよ
神さまなんて呼ばなければよかった
愛なんか一度でも知らなければよかった
やさしくしてくれるものに囲まれて人は自由を失うよね
あなたは簡単だから誰が監視してもしてなくても
ぼくが吐いたものを手のひらに受けられる
この世に石鹸があるからだよね
あなたの暮らしに石鹸を買い忘れない人がいるからだよね
無垢だから息ができなくなるんだ
だったら誰にも疑われず病むくらい
与えてくれて悪くはないだろ
傷つくな、なんて無責任なことを真夜中に語るな