生まれてくるより前に
どこかの国の
誰かと誰かで
酷くさみしい別れを
したんじゃないのか
あなたが目を覚まして
顔を洗うときに
シャツの下
肩甲骨の出っ張り
鏡に映る
ドラマチックでない朝
驚いた顔をして
なんで泣いているのって
振り返っても同じ顔があって
これは夢じゃなかった
あなたはいつも自然だ
長い坂をどこまでも
陽炎に揺られて
行き着く先がどこででも
転がって良いんだと
何も後悔しないような毎日
何度でも出会いたい
あなたが本当は
僕を殺す人であっても
その瞬間に
一時も躊躇わなくても
受け容れるのだろう
文句はないのだろう
もう一度出会いたい
形容詞のない運命
壊れてでも試されたい