no.225

季節外れの花の香り。さまよう視線。吐かなかったことにしたい嘘。いつも誰かが羨ましかった。羨まないから。妬まないから。眠れなくなったり恥ずかしくてたまらなくなることがある?知っておいてほしいことほど何も言えない。言えなくなる。始めたら終わるから。口にしてしまえばそれがすべてだと思われてしまうかも知れないから。足りないのに。全然足りないのに。余すところなく、なんて不可能だ。きみは拡がる。逃げながら跡を残す。そこに、ここに。そうやって深く浅く傷つけられながらぼくは悲しいほどに知るよ。ああ、今でもきみはちゃんとあのひとを好きなんだって。ぼくが気付いた時にはもうそんな目をしていたよね。

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