no.223

僕たちのあいだで分かり合えないことは確かだったが、そのことをお互いどの程度わきまえていたかは不明だった。よほど第三者のほうが理解をしたかもしれなかった。予感をあやふやなままもてあそぶため、時間と距離は密になった。誰にも測定されないことだけを共同作業にしたがったせいだ。目に見えない光が見えていなかったものをあぶり出す時、とても美しいと述べる人がいる一方で生きる世界はかたくなに残酷だ。非道だ。無知なものだけが何からも穢されることはないのだ。君は少し皮膚が薄いのだろうか。血のようなものが透けている。これから何年と何百年と言葉を交わしても近づき合うものはないだろう。その点においては僕たちも例外でなかったのだろう。