no.212

どうかこれが大袈裟な喜びじゃありませんように。
誰にも訪れる当たり前の出来事でありますように。
身分違いの罰当たりなことではありませんように。
今まで与えられていなかったことのほうが不自然な、
何も特別なことではありませんように。
どうかサーチライトをくぐり抜けて、絶対安全まで連れてって。
いつか笑いながら話せるように、遠いところまで連れてって。
お前は強く制御ができない、
だからもうこんな僕に飽きてしまったほうがいい。
間違っても居心地が良いなんて思わないように、
僕が感じているのと同じくらいの違和感を感じますように。
生まれ変わった時にはもう名前すら覚えていないとしても、
その時には平気で話を聞いてあげるから。