脱ぎ捨てたものをどこへやろう。この時までにこの世界で、持ち主の手によって身から剥がされた殻が積もる山を見つけたい。そこは人の来ない海辺のように雑多な物があふれてる。外国の黄色。絡まった網。読めないラベル。欠けた貝殻。粗悪な部品。人形の首。何かの骨。中身の消えたメッセージボトル。いつかの誰かにとって重要な何かは、その場所では等しくただのゴミだ。憩いに訪れる生き物もいる。打ち上げられた哺乳類。溶けない氷。色あせた浮き輪。死にぞこないの化石。波はさらさらと砂を遊んでまた見慣れない新たを押し上げる。君は僕の手を取って。僕は君の髪にさわる。廃墟と新世界の境界線上で。これ以上追放されるものは何もない。