no.205

掃除を終えた玄関に
並べられた四足の靴
きっぱりと硬い踵に
さっきまでのお店の匂い

新しい色が並ぶ祝日
神様はあちこちで産まれた
遠く足を伸ばさなくても
たとえば目線を上げただけで

汚いことや悲しいこと
たくさん目に映るだろう
前を向いたばかりに
顔を上げたばかりに

余りある光で満たして包むから
夜は優しいけれど退屈もするでしょう
僕が差し出すものに悪意はない
それは君の決める事だ

街灯がポツポツと点滅して
過去や未来と交信している
今を生きる僕たちに解読はできない
ここにある時間を噛み締めるだけ

君を壊したくないと思う
その手段として死んでしまいたいと思う
間違った順序だとわかっている
でも君にだけは言われたくないと笑おう

夜と朝、君と僕、境目はキラキラ
信じたくない長い夢ならいつかは覚めよう
誰も探し出せなかったあの日
あの日とあの日の色彩の果てで