No.860

百年に一度の出来事を
奇跡と呼んでいいのか迷う
口にしていいのか
君に伝えていいのか

二つ並んだ小さな星は
この距離じゃないと分からないんだ
ぼくのぼくのぼくの血がまだ
ぼくのものではなかった頃の出来事

生きている人は
死ぬなんて思いもしなかったよ
ぼくだってそう
会うことのない誰かへ血を送る

奇跡はこんなに日常にあって
迷うなんてちっぽけだよ
ほとんど隣同士に近い距離で
騙し合うための嘘なんて止めろよ