no.185

どうしたらいいか分からないんだ。そう言ってきみが引き出そうとする答えは本当はぼくにとって都合のいい言い訳で、それをぼくに答えさせることで楽になろうとしているね。だけど責めるつもりはない、きみはいつもひとりですべて被ろうとするから。雨は。いつか見た星みたいにたくさんの雨は地上に降ってすべての伝言を消し去ってしまう。もうすぐ会えなくなるね、そうしたら名前も、気持ちも、忘れて、それで二度と苦しむことはないのかも知れないけれど、それだけになる。それっきりに。切り刻んだ手首の細かな溝から緑が次々と芽吹いて、次はどんな花が咲くかなって考えているあいだだけ双子みたい。それはどんな色のどんな名前で、あたらしいぼくたちに呼ばれるんだろう。誰もしらない物語を見届けるまで、この恋を愛になんかできない。