no.175

濃紺の夜に星が落ちていて拾うことができない。白く浮かび上がる龍の姿形をぼんやり見ているコンビニの前で。時間どおりに来るバスといつまでも現れないきみ。あの星は消えない涙。消せなかった命。ちゃんと、ちゃんと殺してあげるのだった。川底に揺れる骨のように青く光る疑念。後ろめたい抵抗。目は伏せられたまま。睫毛の先にしたたる血を見るために。何も怖くなかったはず。きちんと。狂ったように。上を向いて。指さされながらも。信じてさえいられれば。ナイフがきらめくあの一瞬。鼻歌を忘れなければ。微笑みを浮かべていれば。何もかもこの手にあった。捨てるほどたくさんの何もかもが。鼻歌を忘れなければ。微笑みを浮かべていれば。

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