No.814

星を見上げ「こわい。」とつぶやいたきみは、横顔で街の光を遮っている。ぼくは夢から出られなくて、なんの証明にもならないであろう手をつないだ。呼吸や体温さえ生成できるいま、信じる気持ちさえあやふやなまま、自然に溶け込もうとして弾かれる。宇宙に抱かれようとして拒まれる。こんな思いを知ってるか。こんな思いをしてたんだ。寝ている間に流れた星が、ぼくの願いだけ叶えないわけはない。奇跡は当然のように起こり、ぼくは何度も頬をつねるだろう。ばかばかしくなって止めるまで。幸せは降り注いで余りある。恐れることはない。だけど捨てなくて良い。硬貨と引き換えにしたペンダントが何よりの宝物。弱いまま前を向け。傷のある顔を上げろ。きみがいらないと言い消しかけたきみを、ぼくが心ゆくまで愛したいんだ。