No.806

腕は檻ではない、分かってる、でももう、離れらんないな。他人事のように思った。こんなに花が降る日は、世界の終わりを考えてしまう。聞いたこともない歌を歌ってしまう。風に過去の面影を見つけてしまう。妄想に光が挿し、没頭さえ上手くできなかったと自己嫌悪。ゆううつ。という顔を見せたいだけ。(いつか素直に)。飽きさせない方法を他に知らない。ずっとの拘束力を信用してない。車は相変わらず茎を敷くし、花は頭を落とすんだ。降る花が呪いなら、ぼくは安心して眠ってしまうのに。包む腕が鉄の檻なら、思い残すこともないのに。もう大丈夫。だから行くね。自分からそう告げて、嘘の国へ行くんだ。単純なきみに呪いをかけて。泣きそうな理由を、三月のせいにして。