no.172

嫌いになることはないよ、好きになったこともないものを。かわいそうだからやめないでおくね、耳を傾けることをやめないきみのために。何の因果もない場所でたくさん糸を切ってそのはじっこ同士でどこかとどこかを結ぼうとするのはもっと大きな円を駄目にした犯人だと白状したくないからだよね。口封じに使った青い宝石は浮かばない死体の沈んでる湖の色素になった。朝の光より月の光をきらきらって反射させて暗号を飛散させてる。夢は大きく、心はまっすぐ。黙っておいたほうが何倍も賢く見えるよ。きみの髪の色。そう見る人の多いってこと知っているくせに。またぼくを孤立させる。ぼくがどんなに魅力を説いたって伝わりはしないのに。またぼくが虚言癖の持ち主になる。何もかも手のひらで転がしながらきみは俯く。波紋の形になんか興味はないくせに。優しい笑顔を隠すために。ゴールのないゲームはどちらかが倒れるまで終わらない。銃口の奥で魔物はまだ生まれていない。そんな状況なんだ、わかっているはず。魔物でさえ億劫なんだ、この不毛な喧嘩の無意味さ、きみはわかっているはず。

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