No.778

きみはきれいとあなたが言う。祈るように言い聞かせる。それを言われているのがぼくで、それを言っているのがあなただ。そんなことってあるだろうか?噴水の水は落ちたあとどこへ流れるの。鳥はなぜ飛ぶことをやめて車になんか轢かれたの。どんな絶滅が線路を輝かせて見せるの。何一つ分からないけれど、あなたが不憫ということはよく分かっている。あなたよりもだ、きっと。視野が狭く陶酔しやすく一途が取り柄のかわいいひと。新月で花束はつくれないから、正直になるというご褒美をあげる。目を閉じて開けたらたまに微笑むという夢をみせる。