no.156

君の歌を好きだって言ったらメンヘラだって笑われるんだ。引っ張って緞帳ごと世界消したいのにそれもステージの上の一人芝居なのかな。絶対安全、溺れることのないプールで誰を待とう。その時間、夕焼けが辺りを囲んでいく瞬間、まるで自分が透明になっていくような感覚、誰にも分かられたくない。分かるわけはない。何も刺し貫いたことなんてないのに。新しいケーキ屋さんで何を買おう。苺のミルフィーユ恐怖症。同じように潰れて擦れたものが隙間からはみ出していたんだ。君はそれを今日のおやつも美味しくいただく。時間を重ねてはいけないふたりなんだと思う。どちらかが無理をして心のどこかで不気味がるような関係はいつか破綻する。でも君に言わせれば破綻は避けて通るものではない。信じるものを決めたくなくて音楽は左へ抜ける。過去から吹く風に押されて。手を伸ばしたくない。時空や世代を超えなくても今ここにあるんだとしても。あと少しが縮められない。躊躇う先にある体がまさにこの時、血の通っていたとしても。憶病者。どういたしまして。君は僕を愛している。馬鹿だよねって問いかけに何と答えたらいいの。この手でつかまえられないものほど無責任なものはない。

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