no.137

やましい影
黒の猫がしのび足
あざだらけの体
何かの目印なんだ
永遠のきらめきが
一瞬に値する
ぼくは何も知らない
いまだ何も持たない
親の声
友達の眼差し
冷たい手首
いつまでも離せないのは
流れる川
咲き遅れた花
停滞した感情
やがて来る濁流
穏やかに笑いたい
滑らかに愛したい
知らずに惹かれあい
妬まれながら好き合いたい
そんなことを
そんなことを
考えなかった日は一日もない
夢にまで息遣いが届く