no.135

天と地の結び目がない地点。産まれてすぐに新しく消える。知らない世界でまた産まれる。点滅の奇跡。言葉を取り上げられて途方にくれるかも知れないというのは杞憂だった。ぼくたちの伝達手段の総量は変わらない。いつか飲むはずの瓶の中身を絵の具に混ぜてわからなくした。得体の知れない存在にそれを手渡して絵を描かせた。崩壊する起承転結。迷子の文脈。語彙は舞って剥き出しの肌に染み渡る。ゆきとどいてゆく、かなたの方へ。誰もたどり着かないところへ。ゆきとどいてゆく。誰かの信じる永遠の方角へ。馳せる思いだけが触れられる場所へ。