No.728

透明はせつない
立ち去る気配を隠しもしない
月の光をとおしてしまった綿あめの糸
体に溶けてもひとつになれない

夜の終わりを見てられなくて
あかるい場所でぼくたちは寝転んだ
流れる音楽と絡み合う話し声
自分が自分でいなくてもいい場所で

慢心の結び目はすぐにほどけて
怠惰な決意がトリップして
泣きたくなっても布は眠ってて
近寄るきみへ読解を強要する

きみがぼくにささやいたなら
ぼくの価値はゼロに戻りバグは消えんだ
きみがぼくに布をかけたなら
ぼくはぼくに戻り夜の終わりをまともに見るんだ