no.5

消える幻に見慣れない僕の背中を見た
遠ざかりながら近づいてくる季節
青と白の曲線を境界線と呼んだ十四歳
死ねないものが笑い世界ははじけ続けた

壊したいのでなくて確かめたかっただけだと
それが傲慢だと分かったうえで分かってもらおうと
まっすぐな道を斜めに見据えた
矛盾を内包して音は水面に反射し続けた

どこかで何かが終わったりはしなかった
いつか見えなくなって抜け出しただけ
大量の流血に見立てた絵の具は赤色ではなくて
雲の無い青空を贅沢に照らし続けた

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