No.682

鮮やかでなくなった
気づかれるのが怖くて毛布をかけた
ぼくの上にかきみの視界にか
どっちでもいいよ、遮られたいだけ

他の子とちがうお弁当
隠したがってること知られたくなくて
わざと机の上を汚してた
誰も傷つけていないこと慎重に観察して

塩素の匂いが降るんだ
待っていたようにも思う
あんなに死にたがりのくせに
ぼくはきっと欲張りなんだ

身のほどをわきまえない
あと少しで届くかもしれない
否定することで猶予が欲しかった
叶いそうなときにはわざと柄と刃をまちがえた

血が流れるくらいがなんだ
涙が出て心臓がぎゅうとなるくらい
この傷口にはふさがって欲しくない
きみの痛みがわからなくなるくらいなら